みなさんはタイルの良さをどの程度知っておられるでしょうか? なんとなくデザインがいいという印象はあるけれど、具体的にどのようなメリットがあるのか分からない、という方は意外と多いかと思います。
そこで本記事では、外壁タイルの魅力を知ってもらうべくメリットを詳しく解説します! デメリットも併せて解説していますので、外壁材選びの参考にしていただけると幸いです。
後半ではメンテナンス費用についても記述していますので、そちらもぜひ参考にしてください。
目次
外壁タイルという選択肢
現在の外壁材はサイディングが主流ですが、モルタルやALC(軽量気泡コンクリート)、レンガ、それに珪藻土や漆喰といった塗り壁など豊富に種類があります。タイルも外壁材の選択肢のひとつです。
タイルといえば住宅の内装材によく使われますが、外壁材としても人気があります。新築やリフォームで外壁にタイルを選択肢に入れる方は多いのではないでしょうか?
そもそもタイルは石や土、粘土を高温で焼き固めた素材です。吸収率によって「陶器質」「磁器質」「せっ器質」の3種類に分類されますが、外壁タイルには吸収率が低い「磁器質」と「せっ器質」が使われます。
タイルを外壁材として使用する場合、メリットだけでなくデメリットも知っておいたほうがよいでしょう。その上で外壁タイルを採用するか決めていただければと思います。
外壁タイルのメリット
メリット1:高級感がある / デザインが高い
外壁タイルはデザイン面に大きなメリットがあります。タイル張りの外壁は高級感があるため、住宅の外観デザインにこだわりたい方におすすめです。
外壁材は価格の安さからシェア数ではサイディングが大半を占めていますが、タイル張りと比較するとどうしても安っぽく見えてしまいます。サイディングにもデザイン性が高い製品がありますが、タイルと比べると高級感の差は一目瞭然でしょう。
タイルは重厚感があるため、印象が強く残ります。現在はサイディングを採用している住宅が多いため、タイル張りの外壁は目立つというのも印象強くなる理由かもしれませんね。
他の住宅とデザインで差をつけるためにタイルを選ぶというのもアリです。住宅の満足度を高めるためにも、外壁のデザインにもこだわってみてはどうでしょうか?
メリット2:耐久性、耐水性、耐摩耗性に優れている
タイルは耐久性、耐水性、耐摩耗性に優れているため、サイディングなど他の外壁材と比べると非常に長持ちです。上述したようにタイルは高温で焼き固めて作るため、傷に強いという特性を持っています。
たとえば強風で砂や物が当たったとしても、タイルは耐久性と耐摩耗性が高いゆえに傷がつきにくいのです。耐久性が高いということは外壁の美観と保ちやすいということでもあるので、タイルは長く美しさを保てます。
外壁材にとって水分というのは厄介な存在天敵で、塗料の塗膜によって外壁材に水分を染み込むのを防ぐことはできますが、塗料も劣化すると水分を吸って壁の中が傷みやすくなってしまいます。その点、元から耐水性に強いタイルなら水分を吸収しにくいため、他の外壁材と比べると水分による劣化が遅くなるのです。
日本は台風が多く梅雨の時期も毎年必ずやってくるため、外壁にはタイルのような耐水性に優れた素材が向いていると言えるでしょう。壁の中まで雨水が染み込むと住宅の耐久性が落ちてしまいますし、修繕費用も高くついてしまいます。
外壁材を選ぶ上で耐久性や耐水性は非常に重要な要素ですので、タイルが持つ特性のメリットに注目してみてください。
メリット3:メンテナンス性に優れている
上述したようにタイルは傷がつきにくい上に汚れが付着しにくく、さらに劣化もしにくいため非常にメンテナンス性に優れています。中には電子の働きで汚れを自動で落とすセルフクリーニング効果のあるタイルもあるので、そうしたタイルを選べばよりメンテナンスの手間は省けるでしょう。
タイルは汚れが浸透しにくいため、ホースで水をかけて洗い流すだけでもある程度は汚れが落ちます。耐水性に優れているので水をかけて洗いやすいというのもタイルのメリットです。
耐久性に優れたタイルとて劣化はしていくのでメンテナンスフリーというわけにはいきませんが、他の外壁材と比べるとメンテナンスの手間は少なくて済みます。
外壁のメンテナンスは住宅の寿命を延ばす上で大事なことですが、メンテナンスの手間がかかると面倒くさく感じるものです。メンテナンスの手間を少なくという点ではタイルは非常に優れています。
外壁タイルのデメリット
デメリット1:初期費用が高い
外壁タイルはサイディングと比べると初期費用が高い傾向があります。使用する素材や施工費によっては他の外壁材より2倍の費用がかかることもあるため、費用が高いのはタイルの大きなデメリットです。
ただし、耐久性や耐水性が優れていてメンテナンスがしやすいという特性があるため、ランニングコストが安く長持ちすることを考えると、初期費用が高くても結局はサイディングと同じくらいになる、メンテナンス費用によっては安く済むかもしれません。
また、タイルは職人の腕が悪いとすぐに剥がれてしまったりするため、タイル施工の技術力に優れた建築会社を選ぶことが重要です。いくらタイルが耐久性・耐水性に優れていても施工が甘くて剥がれてしまっては意味がありません。
建築会社のホームページで過去の施工事例を見て、外壁タイルの施工経験が豊富なのかをチェックしたり、相談時にタイルについてどれくらい詳しいかを注意深く聞いたりして判断したほうがよいでしょう。
デメリット2:下地が傷むと剥がれ落ちてしまう
タイル自体は耐久性に優れていますが、下地が傷むと剥がれ落ちてしまう危険があります。住宅が通りに面している場合、外壁タイルが剥がれ落ちて通行人に怪我をさせてしまうかもしれません。
職人がしっかり施工をして定期的にメンテナンスをしていればそれほど心配することでもないでしょう。しかし、上述したように職人の施工が甘かったり、長い間メンテナンスをしていなかったりするとそのリスクは上がります。
下地もタイルの耐久性に大きく影響するため、タイル張りだからといってメンテナンスをさぼってはいけません。結局は職人の腕とメンテナンスが大きく影響するわけですが、タイル自体だけでなく下地のほうも注意しておいてください。
外壁タイルのメンテナンス
外壁タイルのメンテナンスの目安は10年に1度です。タイルは基本的に塗装が不要ですので、サイディングなどの他の外壁材と比べるとメンテナンスは楽になります。
ただし、上述したように下地が傷むとタイルが剥がれてしまうため、そのなる前にメンテナンスで補修をしておかなければなりません。目地(コーキング / シーリング)も劣化していくため、その部分の補修も必要です。
コーキングはひび割れ程度であれば軽度ですが、放置しておくと劣化が進行して壁の内部に雨水が染み込んでしまう恐れがあります。DIYでコーキングを補修することもできますが、施工が甘いとまたすぐに劣化してしまうため、建築会社に任せた方が安心です。
外壁のコーキングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
≫外壁のシーリング(コーキング)は住宅の耐久性に関わる!役割や劣化症状、耐用年数、補修方法を徹底解説
外壁タイルのメンテナンス費用
外壁タイルは割れや劣化がしにくいため、よほど傷んでいない限りは全面交換することにはなりません。一部のタイルに浮きが見られたり、コーキングに劣化が見られたりすれば部分的に補修していきます。
外壁タイルの通常のメンテナンス費用の相場は平均30~50万円です。浮きや剥がれが多く発生しているとこの費用に上乗せされますが、元々が耐久性に優れているため強風や地震などよほどのことがないとメンテナンス費用が高額になることはないでしょう。
逆に考えれば、それほど劣化が進んでいないのに高額な費用を請求するような業者は注意したほうがよいということです。見積もり内容をしっかく確認した上で、正式に依頼するか判断してください。
上述したように外壁タイルは初期費用こそ高いものの、高い耐久性と耐水性、耐摩耗性によってメンテナンス費用は他の外壁材と比べると安く済むことが多いです。下地が傷んでいて修繕に手間がかかる場合は平均よりも費用が高くなることもありますが、傷む前にメンテナンスをしておけば1回のメンテナンス費用は安く抑えられるでしょう。
タイルは優秀な外壁材
外壁タイルは初期費用が高いことで避けられる方が多いかと思いますが、ここまで説明したように機能的にもランニングコスト的にも非常に優秀な外壁材です。デザイン性も高いため、住宅の外観を見栄えのいいものにしてくれます。
サイディングは安くてデザインの自由度が高いというメリットがありますが、タイルと比べると耐久性が劣るためこまめなメンテナンスが必要です。メンテナンス性に優れたタイルなら手間を少なくできるので、外壁のメンテナンスの頻度を下げたい方に向いています。
もちろんタイルもメンテナンスをする必要があるので、定期的に外壁全体をチェックして劣化が進んでいる箇所がないか確認する習慣をつけましょう。早めに劣化に気づいて補修しておけば少ない費用で済みます。
おわりに
外壁タイルの魅力は伝わったでしょうか? メンテナンスがしやすくランニングコストが少なくて済む、というメリットをご存知なかった方も多いかもしれませんね。
住宅の外壁は耐久性やデザイン性の面で非常に大事な部分ですので、後悔しないように選んでいただければと思います。
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