外壁塗装を専門業者に依頼するより、DIYでリフォームして費用を節約したいと考えておられる方は多いことでしょう。それにDIYリフォームでマイホームを自分で好きなように手を加えたい方も多いかと思います。
そこで本記事では、外壁塗装をDIYでリフォームをする手順と注意点をまとめました。注意点には外壁塗装のDIYリフォームをする上で非常に重要なことを述べていますので、最初に注意点をよく読んでいただいた上でDIYリフォームの手順を知っていただければと思います。
目次
外壁塗装をDIYリフォームをする際の注意点
外壁塗装をDIYリフォームを知る上でまず知っておいていただきたいのは、外壁の高い箇所をDIYで塗り替えをするのは危険が伴うということです。
DIYでは足場を組むのは難しいため、おそらく梯子や脚立を使って外壁の高所の塗り替えをされることでしょう。地面が不安定な場所に梯子や脚立を置くと作業中に倒れて怪我をする恐れがあります。低所であっても足を踏み外したり滑らしたりして落下するかもしれません。
プロの業者でも塗装工事中の転落事故は起きているので、DIYリフォームをするなら慎重すぎるくらいの注意が必要です。怪我をしてしまっては元も子もありません。
DIYでの外壁の塗り替えには滑落や転落の危険が伴うことを理解し、しっかりと安全対策をとった上で行うようにしてください。安全に作業するのが難しい箇所に関しては、無理してDIYリフォームをしないようにしてください。
高所の塗り替えをするなら、必ず足場を設置しましょう。選択肢としては自分で設置するか業者に依頼するかになりますが、安全な足場を組むには専門知識が必要となるため、無理せず業者に依頼したほうがよいでしょう。
また、夏の暑い時期に作業を行うと熱中症になる恐れがあるため、夏に作業するのはおすすめしません。気温や湿度によって乾燥時間が変わってくるため、DIYリフォームを行う時期もよく考えたほうがよいでしょう。
DIYリフォームが難しいようなら、外壁塗装の専門業者に任せてください。本記事では可能な範囲でのDIYリフォームを解説しますので、決してご無理はされぬようにお願いいたします。
外壁塗装のDIYリフォームをする手順
手順1:外壁の汚れを落とす
外壁塗装を行う前に、外壁の汚れを綺麗に落としてください。汚れが付着したまま塗料を塗っても短期間で剥がれてしまいます。
コケやカビが残っていると塗装が剥がれやすくなるので、しっかり落として汚れがない状態にしておかなければなりません。「ちょっとくらい汚れが残っていてもいいか」と考えず、入念にこすって汚れがない状態にしてください。
軽度の汚れであればホースで水をかけブラシでこするだけである程度は綺麗になりますが、しつこい汚れは軽くこすっただけでは汚れを完全に落としきれません。
DIYで外壁の汚れを落とすなら、外壁用の洗浄剤か家庭用高圧洗浄機を使うとよいでしょう。費用を抑えたいなら外壁用の洗浄剤を使ってみてください。外壁用の洗浄剤はホームセンターで購入できます。
高圧洗浄を業者に依頼した場合は、平米単価は200~250円くらいが相場となっています。単価が200~250円で100〜150平方メートルであれば、だいたい20,000〜40,000くらいになるでしょう。一般的な大きさの戸建住宅で100,000円を超えることはないので、見積額が相場より高く出てきたときは注意してください。
手順2:養生をする
養生(ようじょう)は、建築工事において隣接する建物が破損したり塗料が飛び散って汚れてしまったりしないようにするための手当です。外壁塗装の場合は後者を目的に行います。
仮に養生をしないまま外壁の塗り替えを行うと、外壁以外の部分に塗料が飛び散って汚れてしまうため、DIYリフォームをする際は必ず養生をするようにしてください。
ホームセンターに養生テープや養生シートが売っているので、手に入れるのは簡単です。養生シートを養生テープで止め、塗料の塗り替えを行う周辺に養生をしていきましょう。
エアコンの室外機に養生をする場合、必ず停止させてください。エアコンを稼働させたまま養生すると空気の逃げ道がなくなり、室外機が爆発してしまう恐れがあります。
ですので、室外機を養生するなら必ず電源をオフにしておきましょう。
手順3:シーリングのひび割れ部分を補修する
シーリング(コーキング)とは、外壁材同士の隙間を埋めた部分、つまり目地の部分です。外壁の中で劣化しやすい部分で、経年劣化でひび割れや剥離、肉やせといった症状が現れます。
シーリングにひび割れや剥離が起こった状態で放置しておくと、そこから雨水が染み込んで外壁材を傷めてしまい、ひいては住宅自体の耐久性が低下してしまいかねません。外壁塗装の塗り替え時にシーリングの劣化に気づいたら、補修をしておいたほうがよいでしょう。
たとえばシーリングのひび割れを塗料で隠しても補修にはなりません。シーリングのひび割れはシーリング材を「打ち増し(上から補填)」するか、ひび割れの症状がひどい場合は「打ち直し(新しく取り替え)」が必要となります。
外壁のシーリングについては以下の記事で詳しく解説していますので、こちらをご参照ください。
≫外壁のシーリング(コーキング)は住宅の耐久性に関わる!役割や劣化症状、耐用年数、補修方法を徹底解説
手順4:下塗りをする
塗料を塗る前に、シーラーで下塗りをしておく必要があります。シーラーは下塗り塗料のことです。他にもフィラーやサーフェイサー、プラサフバインダーといった下塗り塗料があります。
よく使われるのはシーラーとフィラーです。塗装面が傷んでいると塗料を吸い込んでしまうため、シーラーやフィラーを使って吸い込みを防ぎます。
シーラーには水性と油性がありますが、水性タイプのほうが臭いが少ないのでDIYには向いているでしょう。水性は油性と比べて乾燥時間が長くなるため、よく乾かしてから塗料を塗るようにしてください。
フィラーは水性しかありません。モルタル系外壁のひび割れなどに使用する下塗り塗料で、壁面の段差や凸凹を平らにするために使います。
外壁の下地の状態が良ければ下塗りが不要の場合がありますが、塗料の塗り替えを検討する状態であるなら下地も傷んでいることがほとんどであるため、必ず下塗りをすると考えておいて問題ないでしょう。
手順5:中塗り、上塗りをする
下塗りが完了したら、いよいよ塗料を塗っていきます。段階として中塗り→上塗りという順番になるため、2回塗りすると考えてください。
中塗りは上塗りと同じ塗料を使いますが、2回塗りするのは塗りムラを防ぐためです。塗料にはそれぞれ適正な塗布量があるため、1回で終わらせようと厚く塗ろうとしてはいけません。
塗りムラは気泡が生じることが原因で、適正な塗布量を超えて塗ると発生しやすくなります。塗り替えが終わって乾燥した時に気泡が残っていると見栄えが悪くなるため、必ず指示された塗布量を守ってください。
といった理由から、塗膜を正しく厚くするためには最低でも2回塗りが必要です。2回では十分に塗膜の層が厚くならなかったり、塗りムラができたりすることもあるので、その場合は3回4回と重ね塗りする必要があります。
外壁塗装をDIYリフォームすると節約になるのか?
外壁塗装をDIYリフォームすれば作業費を節約できるため、費用は安く済みます。外壁塗装の知識を身に着けた上でDIYをするなら確かに節約にはなるでしょう。
しかし、DIYで塗り替えをするのと専門業者が塗り替えをするのとでは質が違ってきます。使用する塗料によっても耐久性が変わりますし、同じ塗料でもプロの技術で施工するのとでは精度が違ってくるのは当然です。
自分ではうまく塗れたつもりでもしっかり塗れておらず、短期間で塗装が剥がれてしまうかもしれません。そうなるとまた塗り替えが必要となるため、節約になったのか分からなくなってしまいます。
塗り替えの質による耐久性の差を考慮し、DIYのほうが安くつくのか、長期的にみて専門業者に依頼したほうが安くつくのか、よく考えたほうがよいでしょう。
それに足場も自分で組めば節約にはなりますが、専門知識がないまま足場を組んで作業するのはおすすめしません。上述したように外壁の高所の塗り替えには危険が伴うため、梯子や脚立では届かない範囲は足場を組むようにしましょう。
外壁塗装をDIYリフォームする考え方としては、1階部分で安全に作業できる範囲であるならばDIYでやってみてもよいかもしれません。初めてだとうまく塗れない可能性があるので、まずは小さい範囲や隣家との間にある壁など目立たない箇所で練習してみるのもアリです。
高所を塗り替えするには足場が必要となるため、2階以上の部分は専門業者に任せたほうがよいでしょう。大事なのは怪我をしないことですので、安全に作業できる範囲でDIYリフォームをしてください。
足場については以下の記事で詳しく解説していますので、こちらも参考にご覧ください。
おわりに
DIYでも外壁塗装を塗り替えることは可能です。ただし、しつこいようですがDIYは安全に作業できる範囲に限ります。怪我をしてしまっては大変ですので、絶対に無理はしないようにしてください。
DIYリフォームをする場合は、本記事を参考に塗り替えの手順を覚えてから作業されることをおすすめします。塗り替えには洗浄や下塗りが必要ですので、そうした基礎を覚えた上でDIYリフォームをしていただければと思います。
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