外壁塗装は、住宅メンテナンスの代表といっても過言ではありません。
一般的には、10年に1度のタイミングで塗り替え工事を行います。
外壁塗装は、決して安い買い物ではありません。
しかし、高額な費用を払って工事するにもかかわらず、外壁塗装の工程について詳しい方は多くありません。
さらに、プロでなくてはなかなか良し悪しを判断することが難しい工事でもあります。
そのため、外壁塗装は手抜き工事が発生しやすいといわれており、残念ながら、悪質な業者が存在することも事実です。
間違って悪質な業者に工事を依頼してしまうと、あとあとトラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。
そこで、今回は悪質な業者が行う、一般人は気付かない手抜きについて、詳しく紹介していきますので、いっしょに見ていきましょう。
目次
塗装を適正回数おこなわず性能が台無し
外壁塗装や屋根塗装は、基本的に下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りです。
下塗りは、下地を補強して仕上げ塗料と下地との密着度を高める役割があります。
中塗りは、下塗り用塗料の色を消して、上塗り用塗料との密着度を高める役割があります。
中塗り、そして上塗りと仕上げ塗料を2回以上塗らないと、塗料が備えているそれぞれの性能が発揮されなくなります。
結果、塗装したばかりであるのにもかかわらず、塗料が剥がれてしまったり、下地が劣化してしまったりといった問題が発生してしまうのです。
上塗りには、中塗りの際に発生した色ムラや気泡を改善する役割があります。
しかし、悪質な業者の場合、工期を短縮するために、この上塗りを省略して塗料費用をごまかそうとすることがあります。
見積書をしっかりとチェックして、3回塗りが行われるかを確認しておきましょう。
ただし、2回塗りでも問題ない塗料もあるので、塗装前に業者に確認しておきましょう。
塗装前の洗浄を怠る
外壁塗装や屋根塗装は、基本的に塗装前に高圧洗浄機などを用いて、汚れやカビなどをしっかりと除去します。
洗浄を怠り、汚れやカビが付着している上から塗装をしてしまうと、塗料がすぐに剥がれる、塗料の性能が発揮されない、などの原因になり、すぐに再塗装をしなければいけなくなります。
悪質な業者は、工期を短くするために洗浄を簡単に済ませてしまい、すぐに塗装工程にうつろうとするので、注意が必要です。
しっかりと洗浄をしてもらうように、見積書のチェックや工事前の確認を怠らないようにしましょう。
塗装後のトラブルのほとんどは塗装前の処理が原因
不十分な下地処理
下地処理とは、外壁材や屋根材のひび割れや欠損箇所の修繕、サビの除去などをして建物の劣化を防ぎ、塗装できる状態にする工程のことです。
この下地処理が不十分であると、ひび割れや欠損、サビが発生した状態のまま塗装することになるため、そこから剥がれなど劣化が発生して雨水の浸入につながる可能性があります。
塗装後のトラブルは不十分な下地処理が原因となることも多く、下地処理がとても重要な工程であることがわかります。
そのため、依頼する業者には塗装前にしっかりと、不具合が発生している箇所の修繕をしてもらいましょう。
塗料を水で薄めて使う
悪質な業者は塗料を水で薄めて、塗料代を浮かせようとすることがあります。
水で稀釈して使用するタイプの塗料もありますが、塗料には適切な濃度があり、
不適切な濃度で塗装をすると、塗料の性能が著しく低下し、十分な効果を発揮することができなくなってしまいます。
たとえば、耐用年数が10年の塗料であっても、3年で剥がれてきてしまうなんてこともあり得るのです。
しっかりと乾燥時間を設けない
塗装工事では、塗料が乾燥してから次の塗装工程に移らなければなりません。
しかし、悪質な業者の場合、工期の短縮や人件費の削減のために乾燥時間をしっかりと設けず、中塗りや上塗りへと移っていくことがあります。
塗料がしっかりと乾燥しないうちに重ね塗りをしてしまうと、先に塗った塗料が剥がれてくることがあり、塗料の性能を十分に発揮できなくなってしまいます。
不安な場合は、十分な乾燥時間をとってもらうようにあらかじめ業者に話しておきましょう。
受け取れるかどうかわからない助成金の話をする
悪質な業者は、塗装工事の契約を結ぶために、「助成金が受け取れる」といってくることがあります。
外壁塗装は安い買い物ではないため、自治体からの助成金や補助金があるなら活用したいものです。
しかし、自治体の予算には限りがあり、申し込みがすぐに打ち切られてしまうこともあります。
「助成金が受け取れる」という口車に乗せられて契約をしたけれど、活用できなかったケースも多くあるため注意しましょう。
同様に「火災保険を活用できる」といってくるケースにも注意しましょう。
まとめ
外壁塗装後のトラブルに遭わないために、トラブルの原因となる塗装前の行いについて説明してきました。
冒頭で説明したとおり素人が業者や工事の良し悪しを判断するのは非常に困難です。
では、どうすればいいのか?
それは、見積書の段階で内容をしっかり確認することです。
悪質な業者は、見積書の内容が曖昧なことが多いです。
少しでも不安や疑問に感じる部分があった場合、これでもかというくらい質問しましょう。
そこでしっかりと回答してくれない業者には、依頼しないようにしましょう。
依頼する際は、業者を2、3社に絞り、相見積もりをとって比較してから依頼することをおすすめします。
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