ベランダは、住人が家で足を踏み入れるスペースかつ外にあるエリアです。
そのため、防水工事が必要になってきます。
この記事では、そんなベランダ防水について詳しく説明していきたいと思います。
そろそろ家のメンテナンスを検討している方は、この機会にベランダについての知識を得てベランダ防水工事をしてみてはいかがでしょうか?
ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
ベランダ防水とは?
ベランダ防水がどうして必要なのか?
ベランダ防水とは、ベランダの床を防水性のある素材で覆うことで、防水性を高める工事です。
ベランダの防水力は、経年によって少しずつ衰えていきます。
ベランダの防水性が落ちてしまうと、雨が下地や躯体にしみ込むようになり、ベランダから侵入した雨水が壁や天井から雨漏りを起こす可能性が高いです。
それを防止するために、定期的にベランダ防水工事をする必要があります。
ベランダ防水をしないとどうなる?
ベランダの防水工事をしないと、どういった結果が待っているのでしょうか?
もしもベランダがコンクリートでできていたとします。
いくらコンクリートでできていたとしても、防水をしていなければ長い時間をかけて雨水が建物内に徐々にしみ込んで侵入してきます。
侵入した水分が、長い時間をかけて、屋内の壁や天井に雨漏りを発生させ、家そのものを腐らせていくのです。
家の内部に水が多くしみ込んだ場合、湿気により壁紙が剥がれてきたり、シミ、雨漏りなどが常に起こりやすい状態になり良いことが何ひとつありません。
これらを防ぐためにも、常に外に晒されているベランダは、防水層で覆う工事が必要になります。
ベランダの防水層ってなに?
防水層とは、ベランダや屋上などの床に施される、雨漏り防止のための加工です。
ベランダなどの下地は水に強いコンクリートが使用されることが多いですが、雨がしみ込み続けるといずれ雨漏りが発生してしまうため、防水層で雨水が染み込まないようにしています。
ベランダに施工される防水層の種類は3つありまして、[FRP] [ウレタン] [シート]です。
[FRP]と[ウレタン]の防水層は、【トップコート】という液状の樹脂でさらに覆われていることが多いです。
4種類の防水工事の各メリット・デメリット
ベランダの防水工事は、大きく分けて4種類あります。
まずは、トップコートの塗り替えです。
トップコートの塗り替えは、表面の軽い傷みを調整するメンテナンスの工事です。
しかし、トップコート内部の防水層まで傷みが促進している場合は、本格的なベランダ防水工事が必要になります。
その本格的なベランダ防水工事には、3種類あります。
ひとつは、衝撃に強い仕上がりになり且つ軽量で固い【FRP防水】
そして、低価格を求めている方におすすめの【シート防水】
最後に、広さや形状を気にせず施工することができる【ウレタン防水】です。
今から、これら4つのベランダ防水工事について、メリットとデメリットをそれぞれ紹介していきますので、チェックしてください。
[トップコートの塗り替え]
●工事内容
ベランダには、表面に防水層を守るトップコートという防水材が塗られています。
日常で目にする、グレーや緑色の床は、防水層ではなくトップコートです。
トップコートは、時間の経過や雨風や紫外線などの外的要因によって保護効果が弱くなってくるので、防水層まで傷みが発生してしまう前に塗り替え作業をすることが重要です。
塗り替えの目安は、大体5年おき、長くても10年以内に塗り替えることをおすすめします。
●メリット
トップコートの塗り替えは、DIYでも施工可能です。
道具や塗料などすべてを含めても1万円台でメンテナンスすることができます。
業者に依頼した場合、一般的な広さのベランダで約3~5万円くらいの費用がかかります。
他の種類のリフォーム工事と比較すると、半額から1/3以下の費用しかかからず安いです。
●デメリット
トップコートの塗り替えは、ベランダに問題が起こる前のメンテナンスになります。
目立つ剥がれなどが発生してしまっている場合は、残念ながら解決になりません。
なぜなら、内部の防水層がすでに劣化してしまっているのならば、表面をトップコートで覆っても劣化が促進してしまうからです。
[FRP防水]
●工事内容
ベランダ防水のFRP防水は、木やコンクリートで造られているベランダにFRP製のシートを敷き、その上からトップコートで固める工法です。
FRP防水のベランダを、DIYでトップコートの塗り替えをしていくと30年間で約2万円/㎡の費用がかかります。
防水層の3工法の中では、2番目に安いです。
業者に依頼した場合、30年間で約2万5千円がかかると言われています。
●メリット
FRP防水は、丈夫な仕上がりになるので、耐荷重性、耐摩擦性が高いです。
そのため、屋上駐車場などといった人や車の行き来が激しいところに使用されることも多いです。
あと、FRPでできた防水層は、他の防水層に比べて軽いです。
FRP防水は、シートを敷くため乾燥時間にかかる工程が少ないことも特徴です。
乾燥を待つトップコートの樹脂も、数時間で乾燥します。
トップコートを何層か重ねて塗る場合でも、1~2日程度でFPR防水は完了します。
●デメリット
FRPは、他の防水層より紫外線に弱いというデメリットがあります。
そのため、FRPの上に塗られているトップコートの維持が非常に大切になってきます。
定期的なメンテナンスが必須になり、最低でも5年に1度の頻度でトップコートの塗り替えをすべきと言われています。
またFRP防水層は、固くて丈夫なメリットがある反面、伸縮性がないため、床面の膨張があると割れやすいというデメリットがあります。
熱による伸縮も大きいため、金属の床面には施工できません。
伸縮性がないため、湿気で伸び縮みが大きい木製のベランダにも不向きです。
金属の床面よりも影響はありませんが、少しの伸縮が積み重なり大きな距離になる広いベランダかつ木製のベランダには施工されることはありません。
[シート防水]
●工事内容
シート防水は、塩化ビニール製やゴムコム製のシートをベランダに張る防水工法です。
平らで広い床におすすめで、ベランダや屋上などでも使用されます。
シート防水のベランダは、30年間で約1万5千円/㎡の維持費用がかかり、これは防水層の3工法の中で最も安いです。
●メリット
防水シートの主流の塩化ビニールは、紫外線や熱に強いです。
そのため、日差しがよく当たるベランダにおすすめです。
耐摩擦性も高く、FRP防水層と同じで人が歩いても劣化しにくい素材です。
シートが丈夫で、トップコートを塗る必要がないのもシート防水の特徴なので、他の防水工法では5~10年おきにトップコートを塗り替えなければならない手間と費用が必要ないのもメリットです。
●デメリット
シート防水のデメリットは、平らな床面にしか施工できないことです。
あと、塩化ビニールは寿命が近づくと急にもろくなる素材です。
耐用年数である約15年おきに再工事が必要になります。
シート防水は、シートの重なりをきれいに溶着させる作業が重要で、これが不完全だとシート内部に水が浸入して、雨漏りの原因になります。
シートの溶着作業はかなり難しいため、作業に慣れた業者を探して依頼することをおすすめします。
[ウレタン防水]
●工事内容
ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗り重ねる防水工法です。
ゴム質で弾力のある床になる特徴があります。
狭いベランダや複雑な形のベランダにも施工しやすく、あらゆる床面の防水に使用されます。
ウレタン防水のベランダは、30年間で約2万2千円/㎡の維持費用がかかり、防水層3工法の中で最も高い金額になります。
●メリット
ウレタン防水は、材質や形状を選ばずに施工することができます。
床の素材の相性に関係なく施工できるのは、大きなメリットです。
●デメリット
ウレタン防水は、手作業で行われる工事です。
均一にウレタン樹脂を塗るのはプロでも難しい気を使う作業なので、実績のある経験豊富な業者に依頼することが大事です。
ウレタン防水の塗膜は、耐用年数が近づいてきて薄くなると、紫外線の熱に弱くなる特徴があります。
そのため、約10~15年ごとに、再工事が必要になってきます。
他にもウレタン防水は、防水材を複数回塗り重ねるので乾燥に時間がかかります。
結果、一般的な家庭のベランダで3~7日、屋上などの広い場所では5~10日は工期が必要になります。
防水層3工法の中で、一般的なベランダに向いているのは?
メンテナンスの頻度、費用ともに3工法の中で2番目ですが、ベランダでの使い勝手が魅力なFRP防水が一般的なベランダにはおすすめです。
歩き回っても剥がれにくい特徴と高い耐荷重性は、洗濯物を干したり取り込んだりすることが多い家庭のベランダほど活躍するでしょう。
木製の広いベランダと金属製のベランダには不向きですので、その場合は他の工法を検討しなければなりませんが、一般的な家庭のベランダにはピッタリだと思います。
まとめ:適切な防水工法を専門業者に依頼しよう
ベランダ防水工事を業者に依頼するとして、選択肢が3つあります。
それは、【新築時のハウスメーカー】【塗装業者】【防水工事専業者】です。
この中で最もおすすめなのは、防水工事専門業者です。
ハウスメーカーは費用が高いデメリットがあります。
塗装業者の場合は、ウレタン防水をする場合に選択肢に入ってきます。
その他の防水工事の場合は、候補から除外してもいいです。
防水工事専門業者ならば、どんなベランダ防水でも依頼先としてベストで、経験も実績も多い場合があり費用も安いので、ベランダ防水工事をする際は、検討してみてはいかがでしょうか。
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