塗装における下地処理の方法と重要性を解説!

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


最近、思うことがあるのですが何事においても準備はかなり大切です。
運動をするときも準備運動をしていないと大きなケガを引き起こしてしまうかもしれません。

仕事においてもしっかりと準備をしていないとうまくいくものもうまくいかなかったりといいことがありません。

それは外壁塗装に関してもそうなのです。
地味な作業で一見意味があるのかどうかもわからないような作業でも、下準備をしっかりしている場合と下準備をしっかりとせずに怠った場合では、仕上がりに差が生じてきます。

塗装をする箇所の下地処理を入念に行うことで、塗装が美しく長く保たれることになります。

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塗装を美しく仕上げるためには下地処理が必要不可欠

外壁塗装の見積書を見たことがある方はわかるかもしれませんが、必ず《下地処理》という項目があることに気付くと思います。

下地処理は見たことがなくても下地調整として表記されていることもあるのですが、同じものだと考えてもらって大丈夫です。

DIYでペンキ塗りをしたことがある方は、とにかくペンキを塗るだけでいいのではないのか?と思いがちですが、プロが行う外壁塗装では違います。

プロは必ず下地処理を行います。なぜなら塗り替え後の美しさが違うからです。

下地処理が不十分の場合どうなるのか?

DIYで塗装をしたことがある方なら、経験したことがあるかもしれませんが、

・塗りたてのときはピカピカでキレイだったのに、乾燥すると色ムラが出ていてキレイじゃなかった
・ペンキが対象物にあまりうまく乗らなかった

これらは下地処理がされていなかったり不十分であるときに発生する施工不良です。

パッと見た感じでは、キレイで問題のなさそうな外壁や屋根でも、サビやコケ、カビやホコリなどの異物が付着していて、その上からペンキを塗ってしまい施工不良を起こしてしまう場合があります。

異物がなくても他に、ひび割れや塗膜の剥がれなどがある場合も施工不良の原因になります。

下地処理が不十分だと塗装が長持ちしない

下地処理を怠ったまま外壁や屋根を塗り替えてしまった場合、施工不良になってしまいます。

外壁・屋根の塗り替えのタイミングは前に塗装をしてから10年と一般的に言われていますが、下地処理が不十分ですと長持ちしなく10年を待たずもっと早いタイミングで外壁に劣化が発生してしまう可能性があります。

外壁・屋根の塗装に使用されるペンキには、たくさんの種類があり、それぞれ美しさや耐久性が違ってきます。
下地処理が不十分だとペンキ本来の力が発揮されなくなり、耐久性が下がってしまったりして長持ちしなくなります。

せっかく10年、12年、15年の耐用年数が定められていたとしても、下地処理を怠ると1年たらずで色褪せや剥がれなど劣化症状が発生してしまう可能性だってあります。

しかも、外壁や屋根の塗装工事は決して気軽にできる金額ではありません。
家の規模によって違いますが、100万円以上の費用がかかることも普通にあります。

安くない金額なので、失敗したからもう一度という感じで出来るものではありません。
失敗が生じてしまうと予定していない費用がかかってしまうことになるので、下地処理を徹底していただき失敗の可能性を下げて余計な出費にならないようにしてもらいましょう。

下地処理のやり方と流れ

下地処理と聞いてどういった作業なのかピンとくる方は少ないと思います。
下地処理にはいくつか方法があり、【高圧洗浄】【ケレン作業】【コーキング補修】【セメント補修】【パテ埋め】などです。

それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

水圧で汚れを洗い流す高圧洗浄

下地処理の初めの一歩が高圧洗浄です。

強い水圧で外壁や屋根の汚れを落としていきます。

高圧洗浄の水圧は触れればバチっと音をたてて痛いくらいの強力な水圧です。
強力な水圧のブラシで擦り落としているような感覚で、汚れやカビ、コケ、藻などを取り除いていきます。

手作業でサビや古い塗膜を除去するケレン作業

高圧洗浄の次におこなう下地処理はケレン作業です。

ケレン作業は、専用の工具やヤスリを使用して、サビやカビ、古い塗膜などを手作業で取り除く作業です。

ケレン作業は特にサビ落としが主な目的となることが多いです。
金属製のトタン外壁・屋根の塗り替えではサビをすべて取り除いてから塗装しないとすぐにサビが再発生してしまうので必要不可欠な作業のひとつです。

サイディングの目地をコーキング補修

最近、住まいの外壁に多く使用されているサイディング。
パネルとパネルの間に適切な隙間をあけながら貼り付けていきます。

このパネルとパネルの間に生じる隙間を目地といい、目地のクッションと防水の役割をするものがコーキングです。

コーキングとは、ウレタンやシリコンの樹脂でできていて、乾燥するとゴムのような弾力のある形状になる特徴があります。

コーキングは劣化すると、ひび割れ・剥がれなどの症状が発生して、その上から塗装をしてしまうと見た目が悪くなるだけでなく、塗装が長持ちしません。

コーキングの補修方法には、
・既存のコーキングに新しいコーキング材を補充する【打ち増し】
・既存のコーキングをすべて除去してから新しいコーキング材に入れ替える【打ち替え】

の2つがあります。

コーキングの劣化だけでなく、外壁や屋根に発生している小さなひび割れもコーキング材を充填して埋める場合があります。

コーキングでの補修が不十分だと、目地から水分が入り込んでしまい雨漏りを引き起こす可能性があります。

また塗装の表面に水膨れが発生して、それが破れて見た目がかなり悪くなってしまいます。

セメント・モルタル質はセメント補修

セメントやモルタル質の外壁にひび割れが発生した場合に放置していると、ひび割れ箇所からどんどんと崩れてきて、最終的には大きな穴があいてしまう場合があります。

穴があくまでの状態になっていなくても、手で触れただけでボロボロと崩れてしまう状態なら、どんなに新しいペンキを塗装してキレイにしても意味がありません。

劣化したセメント・モルタル質の補修は、劣化箇所をハンマーなどで叩き落とし、その上から新しいセメントを打ってコテでならします。

左官屋さんの仕事と思う方も多いと思いますが、塗装前の素地を整える作業なので塗装業者が下地処理として行います。

クギの頭やタッカーの穴をならすパテ埋め

軒天井に使用されるボード状の建材はタッカーと呼ばれる工業用の大型ホッチキスで固定するのですが、タッカーを使用すると数ミリほどの小さな穴が絶対にできてしまいます。

また、クギを打ち付けた木材でも、クギの頭の部分に小さなくぼみができたり、逆に頭の部分が少し出っ張ったりします。

これらの穴や出っ張りを無視したまま塗装をすると、その箇所に塗料が溜まって液ダレが生じたり、ハケやローラーの動きを邪魔して色ムラを発生させてしまうので、できるだけ平滑にならすようにしないといけません。

そこで活躍するのがパテです。

穴や出っ張りにパテをつけて、ヘラでならすと面が平滑になります。

なぜパテが最適なのかというと、パテは粘土状で速乾性があり乾燥するとセメントのように硬くなるので、タッカーやクギによってできた小さな穴や出っ張りをならすのに合っているからです。

そもそもタッカーの穴やクギの頭の処理は、建築時に大工が行う作業です。
大工が処理をしていなかったり、不十分であったときには、下地処理の一環として塗装業者が行う場合もあります。

本当に下地処理が必要な状態なのかを知るセルフチェック方法

もし塗装業者からもらった見積書に下地処理の項目があったとき、本当にしなければならない状態なのか?と疑問に感じたのであれば、下地処理の必要があるのかセルフチェックをしましょう。

まず1階部分の外壁です。

目で見てひび割れや塗装・建材の剥がれ、穴、サビやコケ、目地の傷みなどが無いか調べてください。

目で見てわかるほどの汚れや損傷があれば、下地処理が必要だと確実に言えます。

次に、目で確認して汚れや損傷がないのであれば、外壁を手でさっと撫でてみてください。

手に外壁の色に近いやや白っぽい粉がついているのなら、それはチョーキングという劣化症状なので、下地処理が必要になってきます。

次は、2階部分です。
屋根にコケや藻が付着していたり、屋根瓦がひび割れている、塗料が剥がれている、という場合は下地処理としっかり行わないと塗装を施してもすぐに劣化してしまいます。

外壁の美しさを長く保つ塗り替えをしたければ下地処理は必須

決して安くない外壁塗装。
せっかく塗り替えるのなら、美しさを長持ちさせてほしいと思うのが普通です。

それならば下地処理が必要不可欠。
入念に下地処理をしてくれる信頼できる塗装業者を見つけて依頼することがベストだと思います。

皆さんの住まいがよりよいものになることを願っています。

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