塗料が原因の欠陥がこんなにもあったなんて!

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


塗装は、塗料の特性を正しく把握して塗装することで、塗料が持っている美観と建物を守る保護効果を存分に発揮させることが可能です。

塗装工事は、様々な条件が適切に揃わないと塗膜に欠陥が生じてしまうことがあります。

今回は、そんな塗料が原因である欠陥を紹介していきたいと思います。

塗料による欠陥を塗膜に与えないために、対策もしっかりと把握しておきましょう。

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塗料はしっかりと保管しよう

塗料が正しく保管されていないことにより、塗料の状態に問題が発生して起きてしまう欠陥があります。

では、どんな欠陥が起こるのか、一緒に見ていきましょう。

皮張り、造膜

症状としては、塗料の表面に薄い膜ができてしまう。

原因は、塗料が密封状態が良くない状態で保管されていて、空気が入り込んでしまい塗料表面が空気に接触して固体になってしまったことです。

塗料の粘度が高く空気に触れた面積が広いほど発生する現象です。

対策としては、一度開封した塗料を保管する際に起こりやすい現象なので、一度開封した塗料は保管せずに捨ててしまいたいところです。

どうしても保管しておきたい場合は、空気に接触しないように塗料表面をサランラップなどで覆うことで防止が可能です。

ゲル化

症状は、塗料の粘度が高すぎる状態になってしまい、ドロドロになる現象です。

原因は、増膜や皮張りが進むことで塗料の粘度が高くなり、塗料がゼリー状に変化してしまうことです。

あと、貯蔵温度が高いと顔料と展色剤が反応してしまい塗料の濃度が増してしまうことも原因の1つであります。

対策は、粘度が高いことで起こる現象なので、長い保管になるときは希釈をして粘度を抑えて保管することで防止できることができます。
保管場所も涼しいところにすることで、粘度が高くなることを抑えることになるので覚えておきましょう。

分離、沈降

症状は、塗料に含まれる重い成分だけが底に沈殿してしまう現象です。

原因は、塗料の中の顔料と展色剤が長い保管により分離が発生してしまい、重い成分だけが底に沈んでしまうことで発生してしまうのです。

対策としては、少しだけ沈殿している場合は、撹拌すれば使用できます。
かなり沈殿してしまっている場合は、撹拌をしたとしても再びすぐに分離してしまうので、使うことができません。

ですので、分離や沈殿を発生させないためには、1年以上の長期間の保管をしないことが大切になります。

塗装中に起きてしまう欠陥

塗装中に起こってしまう塗料が原因の欠陥は、液体である塗料が塗装で固体になる工程で生じるものです。

液体から固体への状態変化はとても大がかりな変化のため、施工時の環境や条件そして技量が伴わないと欠陥が発生する原因になってしまいます。

では、代表的な欠陥症状を一緒に見ていきましょう。

垂れ、たるみの発生

症状は、塗膜に垂れたような形跡が発生してしまう現象です。

原因は、厚塗りをすることで発生しやすい現象で、塗料が垂れることで凹凸になってしまいます。

対策は、一度の塗装での塗料の量が多くなり過ぎないようにすることです。適切な量で薄く均一に塗布することで垂れを防止することが可能です。

垂れやすい性質の塗料ならば、垂れを防止する専用の添加剤を混ぜることで対応できます。
風が強い日も垂れの発生原因になるので、風が強い日の作業は避けるようにしましょう。

刷毛目、ロール目の発生

症状は、塗料を塗ったときに、刷毛やローラーの跡がついてしまう現象です。

原因は、塗料の粘度が高い場合、塗料の塗布量が多かった場合、刷毛やローラーの使い方が適切でない場合に発生してしまいます。

対策は、粘度の高い塗料を使うときは、目の細かい刷毛や薄手のローラーを使用することで跡がつくことを防ぐことができます。

合成樹脂塗料を使用することでも刷毛目やロール目の発生を防ぐことができます。

ひび割れの発生

症状は、その名の通り塗膜にひび割れが発生してしまう現象です。

原因は、塗料が乾燥するときの収縮に問題があり、ひび割れが生まれてしまいます。

対策は、厚塗りした塗料の表面だけが乾燥してしまうことが大きな原因なので、厚塗りは避けてください。
前工程の乾燥が不十分な状態で次の塗装工程にうつることでも発生してしまうので、完全に乾燥させてから塗装工程を行うようにしてください。

塗り材と上塗り材の相性が良くない場合でも、ひび割れが発生してしまう可能性があるので、相性を確かめてから塗装するようにしてください。

へこみ、はじきの発生

症状は、塗膜に穴のようなへこみが発生してしまう現象です。

原因は、塗膜が硬化する前に、一部の塗膜が何らしかの不純物によってはじかれて、穴やへこみが生じてしまいます。

対策は、塗装面に水分が付着していると発生の原因になりますので、しっかりと塗装面の水分を除去してから塗装工事をするようにしましょう。

厚塗りしてしまった場合でも、硬化の際にへこみが出来てしまうので注意してください。

つやびけの発生

症状は、塗膜にツヤが発生せず、光沢がまったくない塗膜になってしまう現象です。

原因は、塗料をきちんと規定の希釈をしていないと発生します。規定以上の希釈をしないように注意してください。
あと、相性の良くない塗料を混ぜた場合にも発生してしまいます。

対策は、規定の希釈を守り、相性の良くない塗料を混ぜないようにすることです。

色ムラ、色わけの発生

症状は、塗料の成分が硬化時に分離してしまうことで、縞模様や斑点になってしまう現象です。

原因は、塗料の撹拌が足りていないことや希釈のしすぎで顔料や樹脂が分離してしまうことです。

対策は、規定の希釈率で、厚塗りに注意し均一に塗装することです。

一定時間を経過しても塗料が乾燥しない

症状は、塗装後ある一定の時間を経過をしても塗料が硬化せずに、塗膜がベタベタした状態になる現象です。

原因は、高湿度・低気温の環境で塗装を行うと、一定時間を経過しても塗膜がベタベタの状態になってしまう可能性があります。

対策は、原因の逆で高湿度・低気温を避けると防止することが可能です。

塗膜ができた後に発生する欠陥

塗料は一度塗膜が出来上がると何も欠陥が起こらないように思ってしまいますが、塗膜が出来たあとにも塗料が原因の欠陥は起こりうるのです。

主な現象は1つです。

目やせの発生

症状は、木部などにパテを塗ったその上に塗装をした場合、パテまわりに凹凸のある塗膜になってしまう現象です。

原因は、パテと塗料の間に凹凸ができるので塗膜も凹凸になってしまいます。

対策は、パテをしっかりと平らにすることで防止することができます。
パテと塗料の樹脂の相性は抜群とは言い切れないので、確実に対策をしようと思ったら塗料に顔料や充填剤を混ぜ合わせることでより防止することができます。

まとめ:各欠陥にしっかりと対策してくれる業者を探そう

塗料は扱いが適切でないとあらゆる欠陥が生じてしまうことをご理解いただけたかと思います。

しっかりとした知識を持った信頼のできる業者に依頼することで全てが防げると思いますので、欠陥のない理想的な塗装工事をしてもらうために焦らず信頼できる業者を見つけることに時間をかけましょう。

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