外壁塗装の塗り替えサイン6つ、注意したい劣化症状

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


外壁塗装は、塗り替えのサインに早く気づくことが大事です。早めに塗り替えや補修をしておけば、費用を最小限に抑えられます。

反対に、劣化が進行しているのに気づかないと、外壁の下地まで傷んでしまい、リフォーム費用が増えてしまいます。

本記事では、わかりやすい外壁塗装の塗り替えサインを6つご紹介します。この6つを知っていると劣化に気づきやすくなるので、ぜひ覚えてみてください。

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外壁塗装は塗り替えのサインを出している

外壁塗装の塗り替えの時期は、塗料の種類は環境によって変わります。同じ塗料を使っていても、環境が違えば塗り替えのタイミングが変わってくるので、一律ではありません。

では、どのようにして外壁塗装の塗替えの時期を察知するのか? それは、外壁塗装が出す劣化のサインに気づくことです。

明らかに見た目に劣化が生じているのであれば、それは塗り替え時期が迫っているサインと捉えてよいでしょう。中には専門家でないとわからない劣化のサインもありますが、誰の目にも明らかな劣化の症状はいくつかあります。

サインの種類は後ほど詳しく解説しますが、サインにも段階があるので、早めに気づいて対処することが大事です。サインを見逃して劣化が進行すると、リフォーム費用がかさむので、外壁塗装のSOSに早めに気づいてあげましょう。

外壁塗装の劣化のサイン6つ

わかりやすい外壁塗装の劣化のサインを6つご紹介します。劣化状態によっては早めに塗り替えをしないと外壁が傷んでしまうので、下記のサインが見られたら修繕を検討してみてください。

退色・変色している

外壁塗装は紫外線によって徐々に退色・変色していきます。変色の判断は難しいですが、「色がくすんできたな」と感じたら劣化が始まっていると考えておきましょう。

日当たりがいい場所は紫外線の影響を受けやすいので、色あせがしやすいです。日当たりが悪い場所はカビやコケが生えやすいので、どちらの劣化が早いかは一概にはいえません。

変色の原因を詳しく解説すると、外壁塗装の着色に用いる顔料が紫外線や風雨によって劣化し、経年で色が変わってしまいます。白・黒・青は変色や色あせがわかりにくいので要注意です。

カビ・コケが発生している

カビやコケで表面が緑がかってきたら劣化のサインです。ひとたびカビやコケが発生すると、どんどん繁殖していくので油断してはいけません。

カビやコケが生えやすいのは、日当たりが悪い場所や湿気が多い場所です。紫外線の影響を受けにくい反面、カビやコケが生えやすいというデメリットがあります。

カビやコケは根付くとなかなか落ちないので厄介です。モップなどでこすって落とすこともできますが、力を入れすぎると外壁を傷めて劣化を早めてしまうので、注意してください。

ひび割れ


外壁の表面にひび割れがみられるようなら、明らかな劣化のサインです。小さなひび割れでも放っておくと大きくなってしまうので、早期に気づいて早めに修繕や塗装で補填しておきましょう。

塗装のひび割れが怖いのは、隙間から雨水が染み込んで外壁内部が傷んでしまうことです。外壁内部が雨水で傷むとシロアリが発生したり、耐久性が低下したりするので、小さなひび割れだからと油断してはいけません。

どの程度のひび割れから補修が必要になるかは、専門知識がないと判断が難しいです。対処方法もひび割れの程度によって変わってきます。

外壁のひび割れ症状は、大きく分けると以下の2つがあります。

1:塗膜がひび割れを起こしている
2:外壁材にひび割れが起きている

1は、外壁塗装の塗膜にのみひび割れが起きていて、まだ外壁の下地まで達していないケースです。専門用語でいうと、塗膜表面の浅いひび割れを「チェッキング」、素地までひび割れが起きている状態を「クラッキング」と呼びます。塗膜表面のひび割れであれば急を要する状態ではないですが、放置しておくとひび割れが深くなっていく恐れがあります。

2は、外壁の下地がひび割れを起こしている状態です。ひび割れの深さにもよりますが、外壁下地まで雨水が浸透する恐れがあるので、早めに修繕をしたほうがよいでしょう。

塗膜表面のひび割れか外壁下地まで達するひび割れかによって、緊急度が変わってきます。素人判断は危険ですので、外壁にひび割れが見られたら、外壁塗装業者やリフォーム会社に点検を依頼し、補修が必要か判断してもらいましょう。

剥がれ・浮き

外壁塗装の剥がれもわかりやすい劣化のサインです。剥がれの前段階で、塗装が浮いた状態になることもあります。塗装の浮きを放置しておくと、そのうち剥がれてくる可能性が高いので要注意です。

剥がれは紫外線や風雨の影響で起きてくる場合もあれば、施工不良で起きる場合もあります。経年劣化はあるていど仕方がありませんが、施工不良は施工業者の技術力不足やいい加減な工事が原因です。保証内で剥がれるのはよっぽどですが、保証外で剥がれることも多いので、無料での再工事が難しい場合もあります。

技術力が高い、または通常の技術力を持っている施工業者であれば、簡単に剥がれや浮きは起きないでしょう。外壁塗装を塗り替えて数年で剥がれや浮きが起き、早期に補修が必要な事態にならないように、依頼する業者をよく比較して選んでいただければと思います。

チョーキング現象

「チョーキング現象」は、紫外線や雨で外壁塗装の顔料が分解され、塗料が白い粉になる現象を指します。外壁を触ったときに白い粉が手につくようであれば、劣化が始まっていると判断できます。「チョーキング現象」は見た目ではわからないので、外壁に触れて確かめてみましょう。

通常の状態であれば、外壁を触っても粉のようなものは手につきません。劣化が始まっている外壁は、「チョーキング現象」によって白い粉となって手につくのが確認できるはずです。

「チョーキング現象」は塗料が劣化している状態なので、外壁を保護する能力が落ちています。放置しておくと外壁が傷んでしまうので、早めに塗り替えしておきましょう。

ただ、すべての外壁で「チョーキング現象」が起こるわけではない点に注意してください。リシン仕上げの外壁やジョリパッド仕上げの外壁は「チョーキング現象」が起きません。これらの塗装をしている外壁は、「チョーキング現象」が起こっていない=劣化していない、というわけではないです。

また、外壁の部位によって劣化の進行度合いが異なるので、一部で「チョーキング現象」が確認されなくても、他の部位で劣化が進んでいる場合もあります。日当たりの良い部位は劣化が進みやすいので、太陽がよく当たる場所を中心に「チョーキング」を確認してみてください。

いずれにしても素人判断では間違えることがあるので、塗装業者に定期的に外壁の点検を依頼して、劣化が進んでいないかチェックしてもらいましょう。

コーキングのひび割れ・亀裂

コーキングは、外壁材同士の隙間を埋めるゴムのような部材です。コーキングにひび割れや亀裂が見られたら、劣化のサインと考えましょう。

コーキングがひび割れを起こすと、そこから浸水して外壁の下地が傷んでしまいます。軽いひび割れ程度ならすぐ浸水するわけではありませんが、亀裂の状態まで劣化が進んでいると、すでに浸水している可能性があります。

コーキングの補修で済めば修繕費用は安く抑えられますが、外壁の下地の交換となると費用が高くなるので注意してください。

劣化のサインがわかりにくいケースもある

上記6つは、比較的に劣化がわかりやすい症状です。明らかに変色や剥がれ、ひび割れが見られたら、劣化が進んでいると考えていいでしょう。

しかし、中には劣化のサインがわかりにくいケースもあります。外壁の表面的には劣化がみられなくても、外壁内部の劣化が傷んでいることも。内部結露や下地材の腐食は見た目ではわからないので要注意です。

先に解説したように、「チョーキング現象」も部位によって症状が異なるので、一部をチェックして現象が確認されなくても、他の部位で症状が現れている場合もあります。一階部分だけでなく、二階部分もベランダや窓から軽く手を伸ばして外壁に触れ、「チョーキング現象」が起きていないかチェックしてみましょう。

外壁塗装が劣化したら早めの塗り替えが吉

塗装の劣化を放置すると、次は外壁自体が傷んでしまい、そうなると修繕費用が増えてしまいます。塗り替えをすべきかは塗装の劣化の程度によりますが、全体に劣化が見られるようなら、早めに塗り替えをしておきましょう。

普段、あまり外壁の状態のチェックはしないと思いますが、定期的に住宅の外壁全体を見回してみてください。ハッキリと劣化がわかるレベルであれば、早めに塗り替えを検討したほうがいいでしょう。

日当たりの良い場所は紫外線で変色やチョーキングが起きやすいですし、日当たりが悪い場所はカビやコケが生えやすいので、その点に注意してご覧になってみてください。上述したように、ひび割れは塗膜表面の割れと素地まで達する割れがあるので要注意です。

知識がないと判断が難しいと思うので、不安がある方は塗装業者に点検を依頼して、プロに判断してもらいましょう。

おわりに

外壁塗装の塗り替えのサイクルは、使用する塗料や環境によって変わります。日当たりによっても劣化の進行度合いが変わるので、一部だけを見て判断するのではなく、住宅全体を見て判断しましょう。

塗装の劣化は外壁の保護能力が低下しているサインなので、「まだ大丈夫」と油断せず、塗装業者に点検とメンテナンスを依頼し、プロの判断をあおぎましょう。

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