外壁塗装の塗り替えが必要だけれど、予算がなくてできるだけ安く済ませたい。という方に知っていただきたいのは、「ケチると余計に費用がかかることがある」ということです。
本記事では、予算がなくてもやったらダメな外壁塗装のNG例を6つご紹介します。安く済ませようとして逆に出費がかさんだり、損をしたりしないように、失敗例を知っておいてください。
目次
予算がなくてもやったらダメな外壁塗装NG例6選
安さだけで業者を比較する
予算がなくて、できるだけ安く請けてくれる業者に依頼したいという気持ちもすごくよくわかりますが、安さだけで業者を比較して選ぶのは危険です。相場よりも格安の費用で外壁塗装を請け負っている業者もありますが、中には質の悪い塗料を使ったり、手抜き工事をしたりすることで安く済ませている業者もいます。
材料の大量仕入れや人件費の削減などの企業努力で価格を抑えている業者もありますが、外壁塗装では他社よりも大幅に費用を下げるのは難しいのが現状です。外壁塗装の材料は大量仕入れで安くできる価格が限られますし、人件費を抑えるために職人の数を少なくしたり賃金を下げたりすると、施工が不十分になってしまう恐れがあります。
高圧洗浄による下処理に関しても、威力の低い機種を使うことで費用を抑えている場合、十分に汚れが落としきれず、塗装を塗り替えてもすぐに剥がれてしまうかもしれません。
他のケースだと、施工費用を抑えるために、メーカーが指定した塗布量を越えて塗料を使用する業者もいるようです。塗料には1缶あたりの塗布量が決められていて、塗布する面積を守ることで塗料の性能が発揮されます。
しかし、塗布量を守らずに広範囲に塗ると、塗膜の厚さが薄くなって性能が発揮されないですし、耐久性まで低下してしまいます。塗料が薄いということは外壁をしっかり保護できないということなので、ひいては外壁まで傷めてしまいかねません。
このような質の低い施工をされると、外壁塗装の耐久性が落ちて早期に剥がれてしまいます。そうなると塗り替えをしなければならないので、安く抑えたつもりでも結局は費用がかかるので、これでは安く済んだとは言えないですよね。
施工費用が安すぎる場合は、何かしらを犠牲にしているケースが多いので、安さだけで比較するのはおすすめしません。
相場を大幅に下回る値下げを要求する
複数の外壁塗装業者に見積もりをとれば、だいたいの相場は分かります。いわゆる相見積もりをするわけですが、相場を大幅に下回る値下げを要求するのはよくありません。
たとえば、相見積もりをとった5社が全て相場よりもかなり高い価格で見積を出したのなら話は別ですが、相場の価格内の中で可能な限り安い料金で見積もりを出した業者は、それ以上価格を抑えるのは難しい状態と言えるでしょう。つまり、最も安い見積もりを出した業者に対し、さらに値下げを要求するのは、必要な工程を省いても構わないと言っているのと同じことです。
もし、その業者が大幅な値下げ要求に応じたのであれば、工事の中で何かしらの妥協をするしか費用を下げる方法はなくなるでしょう。先に紹介したように、質の悪い塗料を使う、規定の塗布量を越えて使用する、人員を減らすといった方法で費用を抑えたのであれば、工事の質が下がってしまうため、塗り替えてすぐに不具合が起こる可能性が高くなります。
予算が少ない時はできるだけ値下げしてもらいたい気持ちも分かりますが、相場を大幅に下回る値下げ交渉は工事の質に関わりますし、業者に無理を強いることになるので、その点も考慮した上で交渉していただければと思います。
工事に必要な工程を省略する
外壁塗装の塗り替えは、塗料を新しく塗り替えるだけではありません。高圧洗浄で旧塗膜を綺麗に落とし、クラック(ひび割れ)やサビがあれば補修をし、その上で下塗り・中塗り・上塗り(下塗り・上塗り2回)をしてようやく塗り替えが完了します。
これらの工事に必要な工程のいずれかを省略した場合、費用は抑えられますが、正しく塗料が施工できないため、数年で剥がれてしまう可能性が高くなります。高圧洗浄をかけずに旧塗膜の上から塗っても新塗膜が定着しないので剥がれやすくなりますし、クラック(ひび割れ)やサビがある状態で塗り替えをするとそこから剥がれが起きるので、結局はまた塗り替えをしなければなりません。
塗りに関しても、下塗り・中塗り・上塗り、または下塗り・上塗り2回が基本となりますが、中塗りや上塗りの2回目を省略した場合、塗料の耐久性が下がってしまいます。下塗りをせずに中塗りや上塗りをする場合も同様です。
DIYでこのような簡略化した塗り替えをやってしまうと、ほとんど塗り替えの効果を成さないと言っていいでしょう。施工業者に依頼する場合でも、下処理を省いたり塗りの回数を少なくしたりすることを要求して予算を抑えるのはよくないやり方です。
いずれにしても、外壁塗装は下処理や塗などの必要な工程をすべてクリアすることが最低条件です。その上でいかに予算を抑えるかを考えるようにしましょう。
内容をよく確認せずにパック料金で契約する
パック料金は、施工業者が用意した塗料などを使うことで塗り替えの費用を安く抑えるプランです。パック料金自体は悪いわけではありませんが、内容をよく確認せずに契約すると痛い目に遭うかもしれません。
パック料金の外壁塗装はあらかじめ塗料の種類が決められていますし、施工の条件も定められています。その内容が希望している施工内容であり、かつ自宅の外壁に合っているのであればお得な料金で施工できますが、そんなに都合のいいようにはいきません。
パック料金にはクラック(ひび割れ)やサビといった外壁の不具合の補修が含まれていないことが多いので、それを依頼するとなると追加料金がかかりますし、補修をせずに塗り替えをすると耐久性が落ちるので、いずれにしても費用がかかります。
パック料金で安く済ませようと思ったのに、追加料金やオプション料金の支払いなどで、結局、高くついてしまった…というのはよくあるケースです。パック料金で安く見せかけておいて、実際は追加料金を払わないと完了しないという悪質な業者もいるので、契約する前に内容や注意書きをよく読むようにしましょう。
使用する塗料に関しても、グレードの低いものを使うことで料金を抑えている場合もあります。パック料金の内容にシリコン塗料と書かれていても、それだけで判断せずに、どのグレードの塗料なのかを必ず確認しておきましょう。
補修の必要がなく、希望している塗料と施工内容がパック料金に含まれているのであれば、上手に活用すれば費用を抑えられるかもしれませんが、あまりおすすめはしません。
グレードの低い塗料で済ませる
予算が少ない時は、塗料のグレードを低くすることで費用を抑えようと考える方は多いかと思います。確かに、予算が少ないと高いグレードの塗料を使うのは厳しいかと思いますが、かと言ってグレードの低い塗料を使うのはおすすめしません。
なぜなら、低グレードの塗料は耐久性が低いため、塗り替えのサイクルが早くなりますし、性能が低いので外壁が劣化しやすいというリスクがあるからです。外壁塗装は外壁を守るためのものですが、グレードが低いと外壁を守りきれません。外壁の補修が必要になると余計に費用がかかってしまうわけですが、果たしてそれで外壁塗装の費用を節約できたと言えるでしょうか…?
たとえば、アクリル塗料の価格は安いですが、耐用年数は3年~5年と短く、クラックを起こしやすいというデメリットがあります。シリコン塗料はアクリルに比べて価格は高いですが、耐用年数は10年~15年と長持ちするので、塗り替えのサイクルや外壁保護の点で考えると、費用対効果は高いと言えるでしょう。
また、シリコン塗料にもいろいろ種類があるため、どのメーカーのどの製品を選ぶかによっても耐久性や性能が変わってきます。断熱性能のある塗料であれば、光熱費の節約につながるため、長い目で見れば住宅のランニングコストを抑えることになるでしょう。
現状の予算との兼ね合いがあるので、どの塗料を選ぶかは難しいところですが、低グレードの塗料を使うのは耐久性の面でも将来的なコストの面でもおすすめしません。予算的に厳しいかもしれませんが、外壁塗装を塗り替えるなら、ある程度は品質が高い塗料を選んだ方が安心です。
知識がない状態でDIYする
外壁塗装の塗り替え費用を節約するために、DIYをしようと考えている方は多いかと思います。外壁塗装の知識がある方ならばDIYでの節約は可能ですが、知識がない状態でのDIYはおすすめしません。
上述したように、外壁塗装の塗り替えは高圧洗浄、補修といった下処理から、下塗り・中塗り・上塗りといった塗り替え作業が必要となります。塗料を扱うのにも知識が必要ですし、外壁に塗る際には塗りムラができないように塗る技術も要るので、何も知らない状態で行うのはリスクが高いです。
それに、外壁塗装の塗り替えには足場を組む必要があります。足場の設置にも専門知識が必要となるので、DIYで組むのはやめておいたほうがよいでしょう。足場が崩れて大怪我をしてしまっては、それこそ一大事です。
外壁塗装は高所での作業が必要となるので、知識がない方がDIYでやるのは危険が伴います。予算の都合もあるかと思いますが、安全には代えられないので、無理をせず業者に依頼することをおすすめします。
外壁塗装の塗り替えはケチらないのが吉
外壁塗装の塗り替え費用を節約するために塗料のグレードを低くしたり、相場より大幅に安い業者に依頼したりするのはおすすめできません。予算との兼ね合いがあるので、どれくらい外壁塗装の塗替えに費用をかけるかは難しいところですが、ケチって工事の質が低い業者に依頼すると、節約した費用以上にお金がかかる恐れがあります。
本文中でも解説しましたが、外壁塗料の質が低かったり工程を省いたりすると、耐久性が下がって塗り替えのサイクルが早くなりますし、外壁自体が傷むと修繕費用が高くなってしまいます。「塗り替えでケチらなければよかった…」と後悔しないように、安さだけでなく、塗料や工事の質も考慮して業者を選びましょう。
おわりに
外壁塗装の塗り替えを依頼する業者は、目先の安さだけで判断せず、トータルでかかる費用や耐久性を考慮して選ぶことをおすすめします。自分が損をしないために、依頼する業者は価格だけでなく施工内容や対応も含めて、よく比較した上で選びましょう。
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