外壁塗装はきちんと施工すれば10年くらいはもちますが、2〜3年という短い期間で剥がれてしまうこともあります。「そんな短期間で剥がれることあるの」と思われるかもしれませんが、実際に起こりうることです。
では、なぜ外壁塗装が2〜3年で剥がれてしまうのでしょうか? 大きく分けると6つの原因がありますし、状況にもよるのでケース・バイ・ケースです。
本記事では、外壁塗装が短期間で剥がれてしまう主な6つの原因と、剥がれた時の対処法を解説します。外壁塗装が早期で剥がれてしまわないように、原因を知っておきましょう。
目次
外壁塗装が短期間で剥がれる原因
外壁塗装が短期間で剥がれてしまう原因は、ひとつでありません。大きく分けると6つの原因があります。
言ってしまえば、外壁塗装を行った業者の手抜き工事や技術不足が主な原因なのですが、早期で剥がれが起こる原因は複数あるので、ひとつずつみていきましょう。
汚れの洗浄が不十分
カビや誇りなどの汚れが残っている状態で、新しい外壁塗装を塗り替えても塗装が密着せず、すぐに剥がれてしまいます。汚れの上から塗っても表面上は綺麗になりますが、塗装が密着していないため、耐久性が落ちて短期間で剥がれてしまうのです。
ですので、外壁塗装を塗り替える際は、旧塗膜に付いている汚れを高圧洗浄で落とさなければなりません。言わば塗り替え前の洗浄は、外壁塗装の耐久性を上げるために必須の作業です。
しかし、この洗浄作業を外壁塗装の業者が怠ることもあります。言わば、塗り替えをする前の下処理の段階での手抜き工事が原因です。
ほとんどの業者はしっかり洗浄作業を行った上で塗り替えをしますが、一部の業者は手を抜くことがあります。または、洗浄の技術が不足していることで早期の外壁塗装の剥がれが起こりますが、いずれにしても業者の責任です。
旧塗膜の洗浄は外壁塗り替えの基本中の基本ですし、それを怠ると耐久性が低下するのは明白ですが、工数の省略のために洗浄作業を手抜きする不誠実な業者もいます。もちろん技術不足が原因で洗浄しきれていないのも、外壁塗装業者としてあってはならないことです。
もしDIYで外壁塗装の塗り替えをするのであれば、旧塗膜の洗浄はしっかり行ってください。高圧洗浄機は騒音がするので、使用する際はご近所への配慮も忘れずに。
下地処理が不十分
旧塗膜の洗浄を終えたら、次は下地処理を行います。下地処理は高圧洗浄も含まれますが、クラック(ひび割れ)やサビなどがある場合、塗装を塗り替える前に補修しておかなければなりません。
ひび割れやサビがある状態で外壁塗装を塗り替えると、不具合のある部分から早期に剥がれてしまう恐れがあります。ひび割れはシーリング材などで埋めて補修し、サビは綺麗に落としてから外壁塗装を塗り替えるのが基本です。
早期に外壁塗装が剥がれてしまった場合、下地処理が不十分である可能性が考えられます。外壁塗装業者に依頼してこれが起こった場合、手抜きであると言えるでしょう。
ひび割れの補修やサビ落としも、外壁塗装の塗り替えの作業の一部ですので、それを怠った外壁塗装業者に責任があります。下地処理にも技術が必要なので、技術不足も外壁塗装業者の責任です。
外壁の状態が悪いと下地処理に費用がかかってしまいますが、十分に処理をせずに塗り替えをしてもすぐに剥がれてしまうだけなので、結局はまた費用がかかります。DIYだと、ひび割れの補修は難しいので、状態が悪い場合は業者に任せてしまった方がよいでしょう。
乾燥させずに次の工程に移った
高圧洗浄をした後、または下塗りと中塗りをした後、乾燥させずに次の工程に移ると外壁塗装の耐久性が低下してしまいます。
高圧洗浄の後は外壁が水で塗れているので、乾燥するまで待たなければなりません。しかし、乾燥を待たずに外壁が塗れた状態で下塗りをすると、塗膜がふくれを起こして密着度が下がってしまいます。
下塗りと中塗りと同様で、各工程が終えた後にしっかり乾燥させることが必要です。外壁塗装では、乾燥時間を守ることは基本中の基本となります。
乾燥時間は、塗料の種類、気温・湿度などによって変わりますが、3~6時間くらいが平均です。気温が低かったり、湿度が高かったりする場合は、乾燥時間が長くなります。
下塗りと中塗りの後、さらに上塗りの乾燥時間を設ける必要があるので、外壁塗装の塗り替えは、通常は1日では終わりません。しかし、中には1日で終わらせるために乾燥時間を守らない業者もいるようです。
解説したように、高圧洗浄の乾燥時間、下塗り・中塗り・上塗りの乾燥時間があるので、外壁塗装の塗り替えを1日で終わらせるのは難しいでしょう。塗り替えの範囲や気温によっては工事の予定が早まることもありますが、基本的には一日以上かかるものと考えてください。
もし、他の外壁塗装業者が一日以上かかるという見積もりを出しているのに、一日で終わると言う業者がいた場合、乾燥時間の予定を聞いておいた方がよいでしょう。下塗りや中塗りの乾燥時間が極端に短い場合は、依頼するのを考え直した方がいいかもしれません。
DIYで外壁塗装の塗り替えをする場合も、下塗り・中塗りの乾燥時間はしっかり守ってくださいね。
メーカー指定の塗布量を守らなかった
外壁塗装用の塗料には、それぞれメーカーが定めた塗布量があります。指定の塗布量を下回ると、外壁塗料が持つ性能が十分に発揮されません。
規定の塗布量よりも広い範囲で塗ってしまった場合、塗膜が薄くなって耐久性が落ちてしまいます。これも外壁塗装の基本中の基本で、塗布量を守らないと早期に剥がれてしまう可能性が高くなります。
しかし、中には費用節約のために塗布量を守らず、薄く塗る業者もいます。本来必要な塗布量を下回ると、耐久性が落ちるのは当然です。
DIYで外壁塗装の塗替えをする場合は、必ず塗布量を確認しておきましょう。
塗料を適切に扱っていなかった
外壁塗料にはそれぞれ適した扱い方があります。混合と撹拌(かくはん)がしっかりできていないと剥がれやすくなりますし、下塗りと上塗りで相性が悪い塗料を使うと早期に剥がれてしまうので、塗料を適切に扱う知識が必要です。
外壁塗装業者に依頼して塗り替えをしてもらったのに、早期に剥がれてしまった場合、塗料を適切に扱えていなかった可能性が考えられます。塗料の扱いも基本中の基本ですので、それができていない、またはその作業を怠るのは外壁塗装業者として失格です。
DIYで塗り替えをする際は、使用する外壁塗料の性質やメーカーが喚起している注意点をよく守って使うようにしてください。外壁塗料の扱いには知識が必要となるので、不安がある方は業者に任せてしまった方が安心です。
塗料の塗り方が甘かった
外壁塗装を長持ちさせるには、塗りムラがないようにまんべんなく塗らなければなりません。塗り方にムラがあると見栄えが悪くなるだけでなく、薄くなっている部分の耐久性が落ちてしまいます。
外壁塗装を綺麗に塗れるかどうかは職人の技術力次第です。塗りムラが多くみられた場合、残念ながら技術力の低い業者であったと言わざるを得ません。
外壁塗装や手作業なので多少のムラができてしまうのは仕方ありませんが、明らかに塗りムラがみられる場合は、塗り直しをお願いした方がよいでしょう。塗りムラの程度によりますが、素人目に見て明らかにムラがあるなら、塗り直しを要求した方がよいかと思います。
ただし、塗り直しに追加料金が発生するケースもあるので、その点を事前に確認しておきましょう。
早期に外壁塗装が剥がれてきた時の対処法
環境によって外壁塗装の耐久性は変わるので、何年で「早期」と呼ぶかは難しいところですが、塗り替えてから2〜3年で剥がれ始めるのは早いですね。耐久性が10年と言われていたのに、2〜3年で剥がれてきたら工事に不備があったと考えた方がよいでしょう。
もし早期に外壁塗装が剥がれてきたら、まずは「保証期間」を確認してください。自社保証(工事保証)、またはメーカー保証(製品保証)の期間内で、施工不良と認められた場合は、保証で塗り直しの対応を受けられます。
ただし、外壁塗装で保証されるのは、「外壁塗膜の剥がれ」のみです。クラック(ひび割れ)やサビといった不具合は保証されません。ひび割れやサビは住宅の構造自体に問題があるため、外壁塗装の保証対象がとなります。
保証期間内であっても、保証書がないと塗り直しの工事を請求できません。中には保証書を渡さない業者もいるので、工事が終わったら必ず保証書の受け渡しを確認しておきましょう。
施工業者が「リフォーム瑕疵保険」に加入している場合もありますが、これは国が定めた基準を満たした業者のみが加入できる保険です。ということは、「リフォーム瑕疵保険」に加入している時点で、一定の基準を満たした業者であるという証になるので、業者選びの際にチェックしてみてください。
保証書の発行の有無や内容は、契約前に確認しておくべき事項です。良心的な施工業者であれば、事前に保証について説明してくれます。
施工後の保証についての説明がない、または求めてもはぐらかす業者は、考え直した方がよいでしょう。工事に手抜きがなくても塗装が早期に剥がれることもあるので、保証内容も含めて外壁塗装の業者を選ぶことをおすすめします。
おわりに
2〜3年という短期間で外壁塗装の剥がれが起きた場合、業者の施工ミスや手抜き工事が原因として考えられます。多くの業者はきちんと施工してくれますが、中には手抜きをする業者がいるので、しっかり比較をして優良な業者を選んでいただければと思います。
ただ、優良な施工業者でも短期間で外壁塗装が剥がれることもあるので、万が一のための備えとして、保証内容も漏れなく確認しておいてくださいね。
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