外壁のシーリング(コーキング)は住宅の耐久性に関わる!役割や劣化症状、耐用年数、補修方法を徹底解説

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


シーリングという建築用語をご存知でしょうか?シーリングは外壁の耐久性に関わる重要な作業で、シーリング材が劣化しているならば早めに補修をしなければなりません。

本記事では、シーリング(コーキング)の役割や劣化症状、耐用年数、補修方法を徹底解説します。建築の専門知識がなくても読み進められる内容となっていますので、外壁リフォームについて知りたい方はぜひ最後までお読みいただければと思います。

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シーリング(コーキング)とは?

シーリングは、建築材同士の隙間を目地材などで埋めることを指します。シーリングとも呼ばれていて、外壁材同士の隙間やお風呂と壁との隙間、窓のサッシ周りなどに使われているゴム状のパッキンがシーリング材です。

呼び名がシーリングであったりコーキングであったりとややこしいですが、同じものと解釈して問題ありません。

以前はJIS規格(日本工業規格)に油性コーキング材というものがありましたが、現在は廃盤となっています。今はほとんど油性コーキング材は使われていませんが、その名残りでコーキングという呼び方が使われ続けているようです。

シーリング材のJIS規格(JIS A 5758)はありますので、正確に表現するならシーリングと呼ぶ方がよいでしょう。

ただ、シーリングと呼ぶ職人もいればコーキングと呼ぶ職人もいるので、ご存知ない方はそれぞれ異なる施工と思ってしまうかもしれませんね。どちらの呼び名でも施工内容は同じですので、シーリングとコーキングは同じと覚えていただければと思います。

天井に直接取り付ける照明器具をシーリングライトと呼ぶため混同してしまいそうになりますが、こちらは建築用語のシーリングとは関係ありません。

シーリングの役割

では、シーリングはなんのために施工するのでしょうか?

「シーリング(Sealing)」は「密閉する」という意味の英単語です。その言葉の通り、建築材同士の隙間を埋めて密閉し、住宅の耐久性を高めるのがシーリング材の役割となります。

たとえば、外壁にタイルを貼る際、どれだけタイル同士を近接して施工しても隙間をなくすのは困難です。目地から水や汚れが入り込んでしまうと外壁材が劣化し、住宅の耐久性も低下してしまいます。

そこで活躍するのがシーリング材です。シーリング材で建築材同士の隙間を埋めることによって建築材が長持ちし、ひいては住宅が寿命が伸びます。

また、シーリング材は弾力性があるため、目地に施工することで外壁材の膨張や収縮による割れを防ぐのも大事な役割です。サイディングボードなどの外壁材は気温差によって割れてしまうことがあるのですが、弾力性のあるシーリング材を目地に施工することにより、膨張・収縮による外壁材の割れを防ぎます。

このように、シーリング材はただつなぎ目を埋めるためだけではなく、住宅の耐久性向上に欠かせない建築材なのです。

外壁シーリング材も劣化する

注意しなければならないのが、外壁シーリング材も劣化するということです。外壁材と比べて目立たない部分なので劣化に気づきにくいですが、シーリング材も風雨や太陽光の影響を受けて劣化していきます。

では、シーリング材が劣化するとどうなのでしょうか?

シーリング材が劣化すると住宅の耐久性を維持するという役割を果たせなくなり、住宅の劣化が早く進んでしまいます。シーリング材の打ち直しや交換だけで済めばいいのですが、外壁材や内部の建築材まで雨水が染み込むと修理費用が高くなってしまうので、劣化が見られたら早めに補修しておかなければなりません。

シーリン材が劣化すると、以下のような症状が現れます。

ひび割れ(クラック)

シーリング材にひび割れや亀裂が入った状態

剥離

外壁材とシーリング材との間に隙間ができている状態

破断

シーリング材が割れて線が入ったような状態

肉やせ

シーリング材がやせ細って隙間が生じてくる状態

欠落

シーリング材がとれてしまっている状態

ひび割れは劣化の初期段階ですが、そのまま放置しておくとどんどん劣化が進行し、最終的には欠落してしまう恐れがあります。欠落までいってしまうとだいぶ手遅れの状態ですので、その前の段階で補修をしておくことが望ましいです。

シーリング材の耐用年数

シーリング材の種類や環境によって異なりますが、一般的に耐用年数は5〜10年と言われています。5年ほど経過してひび割れや剥離といった症状が現れれば、打ち直し(既存のシーリング材の上から補填する)をした方がよいでしょう。

10年を過ぎるとだいぶ劣化が進んでいる可能性が高いので、打ち直しよりも打ち替え(シーリング材を新しくする)をした方がよいかもしれません。見た目には劣化が進んでいないように見えても、見えない部分が劣化している恐れがあるので、業者に点検を依頼されることをおすすめします。

シーリング材の補修方法

シーリング材の補修方法 画像

先ほども少し触れましたが、シーリング材の補修は「打ち増し」は「打ち替え」の2種類があります。

「打ち増し」は既存のシーリング材の上から補填する方法です。シーリングを撤去しなくて済むので工期が短く工費も安く済みます。

劣化がそれほど進んでいないのであれば、「打ち増し」は可能です。DIYでもできなくはないですが、シーリングの補修には専門知識が必要となるので、専門業者に任せてしまった方が安心かと思います。

「打ち替え」は既存のシーリング材を撤去し、新しくする方法です。「打ち増し」と比べると工期も工費もかかりますが、新しくするので耐久性の回復という面ではこちらの方が高くなります。

シーリングの劣化が「剥離」くらいであれば「打ち増し」で対応可能ですが、「破断」や「肉やせ」まで症状が進行しているなら「打ち替え」をした方がよいでしょう。「欠落」はもうシーリングが落ちてしまっている状態なので、必然的に「打ち替え」になります。

「打ち増し」か「打ち替え」かは業者に点検をしてもらえば判断してくれますが、明らかに「破断」や「肉やせ」のレベルまで劣化しているならば「打ち替え」を予定しておいた方がよいでしょう。

シーリングの先打ちと後打ちの違い

シーリングを施工する際、外壁塗装をする前に打つことを「先打ち」、塗装した後に「後打ち」と呼びます。

「先打ち」をした場合、シーリング材の上から塗装をすることになるため、塗膜が紫外線を防ぐ効果が期待できます。ただ「先打ち」をすると塗膜のひび割れが起きやすくなるため、その点には注意が必要です。

「後打ち」をした場合、塗膜のひび割れの心配はありません。ただし塗膜による紫外線保護がないため、「先打ち」よりも劣化が早くなります。

「先打ち」にも「後打ち」にも一長一短がありますので、どちらが良いかは一概には言えません。「先打ち」か「後打ち」かは業者によっても判断が分かれるところですし、しっかりシーリングを行ってくれる業者であれば、どちらの順番で施工しても大きな不具合が起きる心配はないでしょう。

業者によって意見が分かれるところでもありますし、依頼される方はそこまで気にしなくても良いかもしれませんね。

外壁のシーリング補修をDIYで行うリスク

シーリングは他の施工と比べて簡単そうに見えますが、専門知識が必要となるためDIYでのシーリング補修はおすすめしません。その理由は3つあります。

1つ目の理由は、シーリング同士で相性があるため、専門知識がないと相性の悪いシーリングを選んでしまう恐れがあるからです。相性が良くないシーリングで補修を行うと早々にひび割れが起きてしまい、結局またすぐに補修をせざるを得なくなります。

2つ目の理由は、シーリングを正しく施工するには専門知識と専門技術が必要であることです。シーリング材選びと同様に、専門知識がない状態で施工をするとうまくできず、補修の効果がほとんどなくなってしまいます。

3つ目の理由は、外壁の高い部分のシーリング補修を安全に行うには足場を組む必要があることです。梯子や脚立を使って高い部分を補修することはできますが、落下する危険性が高くなります。

専門業者なら足場を組んで安全に作業してくれるので、DIYで行うよりも安心です。足場代がかかりますが、安全には変えられません。

シーリングの劣化がひどくなる前に早めの補修を

シーリングは劣化が始まるとどんどん状態が悪くなっていきます。「破断」や「肉やせ」の状態を放置しておくとそこから雨水が染み込み、外壁材を傷めてしまいかねません。

外壁材も交換するとなるとだいぶん費用が高くなりますし、住宅内部まで雨水が浸透してカビが発生していると、かなりリフォーム費用がかかってしまいます。

上述したようにシーリングも劣化していきますので、住宅の耐久性低下を防ぐには、シーリングの補修が必要です。劣化がひどくなる前に早めの補修をしておけば、最低限の費用で済みます。

シーリングの劣化はあまり気にされていない方も多いかと思いますが、家を建ててから5年経過したら外壁のシーリングが劣化していないかチェックしてみてください。見た目では劣化が進んでいないように見えても劣化が進行している恐れもあるので、専門業者に点検を依頼されることをおすすめします。

おわりに

シーリングの重要性についてお分かりいただけたでしょうか?外壁にとってシーリングは非常に重要な存在で、シーリングの劣化が進むと外壁だけでなく住宅の劣化にもつながってしまいます。

専門業者の技術によってもシーリング補修の精度が変わってきますので、安心して任せられる技術力の高い業者を選んでくださいね。

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