現在では、あまり見かけなくなりましたが、昔の建築には羽目板がよく使われていました。
羽目板は壁や天井に取り付ける板のことで、見た目の良さばかりでなく、湿度や温度を調節する機能があります。高温多湿な日本の気候にあっており、今でも神社仏閣などではよく見られます。
羽目板は塗装が剥がれやすいため5年に一度の目安で塗装が必要とされていますが、しっかり手入れをすることで100年以上持つといわれています。
今回は、そんな羽目板の塗装について注意点などを踏まえて詳しく説明していきたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
羽目板の塗装には3つの方法がある
羽目板の塗装には、おもに3つの方法があります。
①シリコン塗料などの一般的な塗料で塗り替える
②木目の良さを活かすため、オイルステイン系の塗料を塗る
③羽目板の上からサイディングボードを張る
サイディングボードが主流である現在に羽目板を取り付ける方は、木目を好む方が多いので、オイルステイン系の塗料をぬる方法を採用することが多いです。
ここからは各方法について詳しく説明していきます。
通常の塗装方法で羽目板を塗り替える
羽目板を通常の方法で塗装する場合、一般的な外壁塗装と比べて工程に変わりはありませんが、下地調整に時間がかかることがあります。
1.下地調整
サンドペーパーでケレン作業をおこないます。
ケレンとは、古い塗膜を研磨により削り取る作業です。
ケレンだけでは古い塗料を完全に落とすことができないため、シンナーを使い徹底的に落としていきます。
この下地調整はとても大切な工程で、塗料の機能を最大限引き出すために古い塗膜を隈なく落としていきます。
また、ケレン作業で、痛みが大きい板は、張り替えてしまうこともあります。
2.下塗り
塗装は、基本的に「下塗り」「中塗り」「上塗り」という3度塗りでおこないます。
下塗りは、羽目板と塗料の間に位置することになり、中塗り、上塗りの塗料の密着性を高めるための重要な工程です。
下塗り塗料にもたくさん種類があるのですが、「シーラー」といわれるものが使われることが多いです。
木材は塗料の吸い込みが多く、吸い込みを抑える効果があるシーラーが適しているためです。
3.中塗り・上塗り
中塗りと上塗りには、同じ塗料が使用されます。
上塗りは、仕上げ塗りともいわれており、羽目板には、ウレタン塗料かシリコン塗料が採用されることが多いです。
現在では、シリコン塗料が主流ですが、5年に一度の目安で塗り替える羽目板では、シリコン塗料のメリットである耐用性が必要ありません。
ウレタン塗料ならシリコン塗料よりもコストがかからず弾力性が高いため、木材である羽目板に適しています。
羽目板塗装の注意点
1.吸い込みが多いので塗料を多く使う
木材は、塗料の吸い込みが多いため、塗料を多く使います。
また、中塗り、上塗りは丁寧に行わないとムラになります。
このようなことから、経験の浅い職人さんの場合、塗料の量を間違うおそれがあります。
そのため、羽目板塗装の経験がある業者に依頼するようにしましょう。
2.羽目板塗装は希望の色が出にくい
羽目板は木材なので、木目によって希望の色が出ない場合があります。
そのため、目立たない箇所で試し塗りをしてもらい、業者と相談して決めていきましょう。
木目の良さを活かすなら、オイルステイン系塗料
オイルステイン系塗料は、木の味わいを活かすことができる塗料です。
イメージとしては、木に塗るニスが一番近いです。
木材は動きがあるため、通常の塗料だとどうしても剥がれやすくなります。
しかし、浸透性であるオイルステイン系塗料なら、剥がれる心配がありません。
オイルステイン系塗料は、2度塗りです。
羽目板は、吸い込みが強いので、2度塗りでムラがなくなります。
とにかく羽目板の木目調のデザインを重要視している方に向いている塗装方法です。
羽目板の上からサイディングボードを張る
羽目板の塗装は、5年を目安に塗り替えなければならないので、長期的に考えるとサイディングボードを上から張り付けるという選択肢もあります。
しかし、塗装よりも費用が高いため、羽目板のデザインにこだわりがなく、長期的に考えた方に向いています。
外壁としての羽目板のメリット・デメリット
羽目板の最大のメリットは、味わいのあるデザインです。
また、しっかりとメンテナンスすることで、100年以上持つ外壁になることです。
羽目板のメリット9つ
1. 自然素材なので味わいがある
2. 環境にやさしい
3. メンテナンス次第で耐久性が極めて高まる
4. 簡単に張り替えられる
5. 軽いので家への負担が少ない
6. 断熱効果が高い
7. 夏場に触っても熱くない
8. 調湿効果がある
9. 耐候性が高い
羽目板のデメリット6つ
1. 塗装によるメンテナンスが定期的に必要
2. 日差しに弱い
3. 自然素材なので、模様に少しバラツキがある
4. 木材で動きがあるので伸縮が激しい
5. メンテナンス頻度が高いのでコストがかかる
6. 燃えやすい
羽目板の種類
羽目板には、おもに杉やヒノキが使用されます。
そして、木材の模様にも種類があります。
それが…
・無節
・小節
・純白
・総赤身
このように木の模様により呼び方が変わります。
他に、羽目板の木材には無垢材と集成材があります。
無垢材は、製材されたそのままのものです。
集成材は、乾燥させた板を接着剤で接合させたもののことです。
無垢材はコストがかかるので、業界では集成材が多く使われています。
まとめ
高温多湿である日本には最適な羽目板ですが、メンテナンスの頻度が高くコストがかかります。
それでも、木材のデザインが好きで活かしたいという方は、メンテナンスをしっかりとおこなえば100年以上も持つので、おすすめです。
5年に一度は塗り替えをしなければならず、吸い込みが激しく塗料も多く必要なので、お住まいに採用したい方は、羽目板塗装の経験が豊富な業者に依頼するようにしてくださいね。
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