外壁塗装と給湯器交換のタイミング、そして意外な関係性!

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


外壁塗装の工事をしている間も、その家庭の生活はいつも通り変わりません。
日常で当たり前に行う、入浴や食事の支度と後片づけなど、何かとお湯を使う場面も多くあることでしょう。

外壁塗装中は美しく仕上げるために、ビニールやシートで覆う「養生作業」というものを行います。

では、給湯器はどうしているのでしょうか?

ということで、今回は外壁塗装と給湯器の意外な関係や給湯器の寿命など、いろいろな観点から給湯器について詳しく説明していきたいと思います。

外壁塗装を検討中で給湯器はどうするのか不安や疑問を抱いていたという方は参考になると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

外壁塗装をしている間に給湯器は使えるの?

外壁塗装をするとき、エアコンの室外機、換気扇フード、給湯器、窓など、塗料が付着してはいけない場所には養生を行います。

結論から申し上げますと、エアコンの室外機は養生していても使用することができるのですが、給湯器は使用することができません。

なぜなら、給排気設備や給湯器などは、養生を施した状態でガスを使用すると、着火不良や異常着火が発生するおそれがあり、とても危険だからです。

さらに、異常着火はガス給湯器そのものの故障の原因になります。
また、給湯器の使用中は、熱を帯びている状態です。

そのため、養生シートで覆われている状態で給湯器を使用すると、その熱で養生シートが燃えてしまう可能性があります。

それに、換気ができない、不十分な状態でガス機器を使用した場合、不完全燃焼により一酸化炭素が発生し、一酸化炭素中毒になる可能性があるため非常に危険です。

一酸化炭素は、発生したとしても無色無臭なので気づきにくく、いつの間にか中毒に侵されているという状態になることもあるので、注意が必要です。

少量でも危険ですが、重度の一酸化炭素中毒の場合、意識を失うこともあるので、外壁塗装中にはガスを使用しないように気をつけてください。

あと、外壁塗装中はガス給湯器だけでなく、石油ストーブにも気をつけてください。
換気のための通気口が養生によって覆われているのなら、使用を控えてくださいね。

給湯器がある場合の塗装と養生方法

はじめに、給湯器の交換は、専門業者でなければ行うことができません。
なぜなら、給湯器の取り扱いに関する資格を持ち、さらに経験や技術を備えていないと、安全を確保することが難しいからです。

塗装に関しては、給湯器が置き型タイプのものならば、外壁と設置面に隙間があるため塗装が可能ですが、壁掛け式の給湯器ならば、給湯器を養生シートで覆い塗装を行います。
つまり、給湯器の設置面だけは塗装できない状態になるということです。

そのため、壁掛け式の給湯器の場合、給湯器を交換した際に、設置面と周囲の外壁に大きな色の差が生じてしまうことになります。

その際、似た塗料か調色をした塗料で周囲の外壁と馴染ませるために塗装をすることもあります。

どうしても給湯器の裏側の塗装を行いたいのならば、専門業者に依頼することになります。

給湯器の寿命はどれくらい?

ご自宅の給湯器は、設置してからどれくらい経過していますでしょうか。
家族構成や使用頻度によって多少の違いはありますが、給湯器は消耗品であり一般的に10年を目安に寿命がくるといわれています。

しかし、実際は10年以上使用しているというご家庭が多いと思います。
寿命がこなくても、15年近く使用していると、交換に必要な部品の製造が終了し、メーカーが対応できなくなるため注意が必要です。

対応が可能でも、すぐに違う箇所が故障をする可能性も高くなるため、10年を目安に交換することをおすすめします。

給湯器が故障する前兆

一般的に、素人には給湯器の調子を判断することは難しいといわれています。
多くの場合、ある日突然お湯がでなくなって焦るというパターンだと思います。

寒い時期は水温が低くなるため、そこからお湯にするのに給湯器の負担が大きくなります。
結果、故障が多くなります。

梅雨の季節も給湯器の故障が多い時期といわれているので、注意してくださいね。
ここからは給湯器が故障をする前兆を紹介していきますので、しっかりと把握して故障した場合にも慌てないようにしましょう。

給湯温度が安定しなくなる

給湯温度が不安定になり、蛇口からでてくるお湯の温度が上がったり下がったりします。

給湯器から変な音がする

お湯を出す際に給湯器からボンッという着火音がするのが正常です。
この音が大きくなってきたなと感じたら注意が必要です。

温度調節ができない

お風呂がオートタイプ・フルオートタイプの給湯器で、お湯張りができても設定温度よりぬるい、追い炊きができない場合は、熱効率が落ちているサインです。

煙が出る・ガスのニオイがする

不完全燃焼を起こし給湯器本体から煙が出てくる、ガスのニオイは、何かしらのトラブルが発生しているサインです。

この状態になると危険なので、使用するのは控えましょう。

給湯器周辺のサビや排気口周辺が汚れている

給湯器周辺にサビが発生した場合、内部の腐食が進んでいる可能性があります。
あと、排気口周辺に汚れが付着していたら、不完全燃焼を起こしているかもしれません。

リモコンにエラーが表示される

キッチンや浴室にあるリモコン画面に、エラーコードが表示されると、とりあえず業者から受け取った説明書やメーカーのホームページを調べてみましょう。

外壁塗装と給湯器交換のタイミング

先述したとおり、給湯器の寿命は10年が目安です。
そして、外壁塗装は、使用する塗料の種類によって異なりますが10~15年前後が塗り替えのタイミングです。

そこで、外壁塗装のときにどうせ給湯器が使えないのならば、塗装工事のタイミングで給湯器もいっしょに交換してしまうのも一つの選択肢です。これなら、給湯器が設置されていた箇所の塗り残しも無くなります。
そのため、外壁塗装と給湯器交換それぞれのタイミングを把握しておくことをおすすめします。

まとめ

ここまで給湯器についていろいろと説明させていただきました。
外壁塗装の際、業者から窓の開閉、エアコンの使用、給湯器の使用について説明があると思いますが、万が一のときに自らも知識を持っておくことは大切です。

さらに、故障に対しても慌てずに対応できるように故障のサインなども覚えておいてくださいね。
外壁塗装をするタイミングに給湯器も取り替えると塗り残しもなく手間もいっしょに済みますのでおすすめですよ。

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