雪下ろしの負担を減らすにはどれが効果的?雪止め?無落雪屋根?融雪?

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


冬になると当たり前のように雪が降り、そして積もる地域に住んでいる方にとって、雪は美しく情緒を感じさせるというものだけではありません。

冬になると雪対策をしなければならず、本当に大変な思いをされています。

「屋根の雪によるトラブルが心配」
「雪下ろしが大変になってきた」

といった悩みも耳にしたことがあります。
そんな方には、雪止め・無落雪(むらくせつ)屋根・融雪(ゆうせつ)といった、雪の落下対策リフォームをおすすめします。

今回は、そんな雪の落下対策リフォームについて、それぞれの特徴や効果などをまとめていきたいと思います。

これから雪が多く降る地域に引っ越すという方なんかは、参考になることがあると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

それでは、いきましょう。

雪の落下対策は3種類!地域別のおすすめ雪対策とは?

屋根の積雪対策リフォームは、大きく3種類に分けられます。
それぞれの特徴とどんな地域に向いているのかを紹介していきます。

屋根に「雪止め」を設置する

既存の屋根に「雪止め金具」を設置、あるいは屋根瓦を「雪止め瓦」に交換することで、雪をせき止めるようにするリフォームです。

雪止めリフォームは、雪が凄く多く降る豪雪地帯よりも、少量の積雪が年に数回ある地域に適しています。

無落雪屋根にリフォームする

「無落雪屋根」は、雪が落ちにくい構造につくられている屋根で、屋根に積もった雪を自然に溶かすように工夫が施されています。

無落雪屋根は、東北や北海道といった豪雪地帯に適している積雪対策です。
北陸も雪が多く降る地域なのですが、雪の質が湿っていて重さがあるため、屋根の負担が大きくなる可能性が高く、雪の重さに耐えられる強度の高い構造にしなければなりません。

屋根の雪を溶かす「融雪設備」を設置する

融雪設備は、屋根の一部か全体にヒーターを設置して、電熱や温水によって積もった雪を溶かす積雪対策です。

融雪設備は、雪が多く降る地域で多く見られるものですが、施工範囲を選べるため雪が少し降る地域でもリフォームすることができます。

次からは、それぞれの積雪対策の特徴などをより具体的に紹介していきますので、チェックしていきましょう。

雪止めの特徴・設置費用

雪止めは、金具タイプやネットタイプ、それに瓦屋根に用いられる雪止め瓦などがあります。

2階建て以上で勾配のある建物の場合、足場代がかかるケースがほとんどなので、部分補修などのメンテナンスと合わせて依頼すると、効率的で費用面も抑えることができます。

雪止めの特徴とは

雪止めは、屋根の積雪対策の中では、手軽で安価な方法になります。
効果としては、落雪やそれによる雨樋などの破損の防止が期待できます。

反対に、雪下ろしのときに邪魔・雪が落ちていかないため積もりすぎるといったデメリットもあるので、豪雪地帯にはあまり適していないといわれています。

ひと口に雪止めといっても、さまざまな種類・方法があり、屋根材によって適切な方法が変わってきます。

日本の住宅の多くに採用されているスレート屋根の場合は、専用の雪止め金具をスレートの重ね目に引っかけて設置することが多いです。

瓦屋根の場合は、雪止め金具を設置するか、瓦そのものを雪止め瓦に交換する工法があります。

さらに金属系の瓦棒葺き屋根なら、アングル型と呼ばれる雪止めを設置します。

その他にも、軒先に金網状の雪止めフェンスを設置して、雪が突き出してくる雪庇やつららを防止する方法もあります。
これは、さまざまな屋根材に設置することができるため、上記の雪止め金具と併用することが可能です。

雪止めの設置費用

どの屋根材に施工するか、どんな部材を使用するかによって費用は異なるのですが、目安をまとめていくので、チェックしてみてくださいね。

既存の屋根材 リフォーム費用
スレート屋根 6~10万円
瓦屋根 8~40万円
金属屋根 9~16万円
雪止めのメンテナンスとは

雪止めは、経年劣化や雪の重みなどによって、歪み・破損・L字型の金具が伸びる・サビの発生などの症状が出てくることがあります。
これらが見られるようになると交換のタイミングといわれています。

無落雪屋根の特徴・リフォーム費用

毎年、多くの雪が降り、雪下ろしが大変な東北や北海道では、無落雪屋根を採用している住宅が多く見られます。

無落雪屋根の特徴とは

無落雪屋根は、積雪対策の中では大掛かりな工事が必要であり、価格も高額になる傾向にあります。

無落雪屋根は3種類に分けることができ、スノーダクト式・フラットループ式・勾配屋根方式があります。

スノーダクト式とは、屋根の中央部に設置された排水ダクトに向かうような緩やかな傾斜があり、溶けた雪が水となり自然に流れ落ちていく仕組みです。

フラットルーフ式は、ほぼ平らな屋根の上に、雪をのせたままにして雪の落下を防ぎます。

勾配屋根方式は、雪止めと一体化あるいは設置した三角屋根を採用して、落雪を防ぐ仕組みです。

無落雪屋根のリフォーム費用

先述したいように無落雪屋根のリフォームは、大掛かりな工事なので費用は決して安いものではありません。

どの方式を採用するかによるのですが、予算は100~300万円程度といわれています。

無落雪屋根のメンテナンスとは

無落雪屋根のメンテナンスとしては、とくにスノーダクト式は定期的なメンテナンスをおすすめします。
メンテナンスを怠ると、「すが漏れ(すが漏り)」が発生する可能性があります。

すが漏れ(すが漏り)とは、軒付近などに雪や氷がたまってしまうことで正常に排水されなくなり、そのたまった水が屋根の隙間などから建物内部に浸入し、雨漏りのような症状が発生することです。

この、すが漏れ(すが漏り)が起こらないように、冬が来る前に排水口(ダクト)付近にゴミや氷がたまっていないかの点検を、年に1度くらいの頻度でおこなうようにしましょう。

融雪設備の特徴・リフォーム費用

融雪は、屋根にヒーターや温水パイプなどを設置して、屋根に積もった雪を溶かす設備です。
主に電気・灯油・ガスを熱源とするので、光熱費がかかってしまいます。

少し先述したいように、豪雪地帯でよく目にすることがあるのですが、部分的に設置することも可能なので、お住まいの地域の積雪量にあった施工ができます。

つららや屋根の先に突き出した雪庇の予防にも効果があります。

融雪設備の特徴

融雪設備は設置範囲を選べるため、屋根全体・軒先・谷部分など目的や屋根の形状、地域の積雪量によって範囲を決めましょう。

融雪設備には、主に電気式・ボイラー式・散水式があります。
電気式は、電熱ヒーターなどで雪を溶かします。
電気式は、フラットな金属屋根に設置されることが多い接着型、磁性体の金属屋根に簡単に設置できるマグネット型、屋根に被せるネット型の3種類が一般的といわれています。

ボイラー式は、灯油やガスを燃料とし、配管やパイプに温水や温めた不凍液を循環させて屋根の雪を溶かします。

散水式は、井戸水や地下水をポンプでくみ上げ、ホースや消雪パイプで散水して屋根の雪を溶かします。

融雪設備のリフォーム費用

融雪設備のリフォーム費用は、かなり幅があります。
なぜなら、融雪方法や設置範囲が住宅や住んでいる地域によって異なるからです。

部分的に設置して高価ではない設備の場合は、35~80万円。設置範囲が広く、パイプの配管に手間がかかるような大規模な工事で質の高い機器を採用する場合は、200~350万円を超えるといわれています。

そのため、予算や積雪量などを考慮して、設置範囲などをリフォーム業者と相談することをおすすめします。

融雪設備のメンテナンスとは

融雪設備のメンテナンスは、電気式・ボイラー式・散水式とタイプによって方法が異なります。

定期的な点検はもちろん、耐用年数による交換も検討する必要が出てきます。
設置を依頼する際に、メンテナンス方法についても業者と相談しておくとよいでしょう。

屋根の積雪対策にも補助金制度がある

雪がとても多く降る豪雪地帯では、雪下ろしの負担軽減・危険回避のため、屋根の積雪対策リフォームに対して補助金を支給していることがあります。

今回紹介した中では、融雪設備の設置が補助金対象となりやすい傾向があります。
対象となる住宅や内容は、お住まいの地域によって違いますので、各自治体に相談してみるようにしてくださいね。

まとめ

雪が多く降る地域では、毎年の雪下ろしがとても大変です。
それ以外にも、雪下ろしの際の転落事故や、落雪による事故・トラブルなど問題は多いです。

住宅に大量に積もった雪から悪影響が発生する可能性もあるため、雪が多く降る地域にお住まい予定の方は、予算や地域の特徴を考慮して屋根の積雪対策リフォームを業者に依頼することをおすすめします。

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