足場なしの外壁塗装、無足場工法での仕上がり具合は?

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


外壁塗装工事において必須項目といっても過言ではない足場の設置。
外壁塗装をおこなう際は、ほとんど足場を設置して作業をおこなうイメージを持っていると思います。

しかし、足場なしの外壁塗装も存在するのです。
足場は、外壁塗装にかかる費用で意外と大きな割合を占めています。

その足場を設置せずに工事をおこなうので、足場代を抑えられるというメリットがある工法なのですが、「足場のない不安定な状態で工事をして外壁の仕上がりが悪くならないのだろうか?」「足場のない工事だから保証期間も短くなってしまうのだろうか?」といった不安や悩みを抱く人もいるでしょう。

では、実際のところ足場なしの外壁塗装はどうなのでしょうか?
この記事では、足場なしの外壁塗装について詳しく説明していきたいと思います。

費用を抑えたいから、足場なしを検討しているという人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

無足場工法とは?

無足場工法とは、その名の通り足場を作らない工事方法のことです。

無足場工法では、屋上から吊るされるロープブランコやゴンドラに乗り、経験と技術のある職人さんが作業をすることで、足場の設置・解体作業を省くことができます。

そのため、工事期間を短くすることができる、費用を抑えられることが最大のメリットになります。

また、無足場工法は不安定な空中での作業になるため、熟練の職人さんでないと対応できません。

一般的には、外壁塗装はまだまだ足場を設置して工事をすることがほとんどです。
無足場工法は、業者でも技術的に対応できない業者もあるため、経験と技術を備えている業者に依頼することが重要になってきます。

無足場工法のメリットとは

ここからは無足場工法のメリットについて紹介していきます。

工期の短縮と費用の削減

無足場工法を採用すると、足場の設置と解体作業がないため、工事期間が短くなるうえに、費用を大幅に抑えられるというメリットがあります。

先述したように外壁塗装の中で足場代は、大きな割合を占めています。

住人へのストレスが少ない

足場を設置しないことで、工事期間中に窓がシートで覆われていたり、窓から鉄パイプが見えたりしないため、圧迫感や暗さによるストレスが少なくなります。

工事期間中でも住人へのストレスが少ないメリットは大きいです。

防犯性が高い

足場が設置されると、そこから屋内に侵入することが容易になり、空き巣や覗きの被害に遭う可能性が高くなります。

反対に足場がないと、その日の作業が完了すればいつもの状態に戻るため、被害に遭う可能性が高くなる心配がありません。

一括施工の心配がない

外壁塗装を依頼する際、基本的には外壁だけでなく、屋根やベランダや軒天などもまとめての一括施工を依頼することが多いです。

なぜなら、足場代は安いものではないため、設置されているのならば他に塗装できる箇所をまとめて塗り替えたほうが、足場代が一度だけで済み結果的にコスト削減につながるからです。

しかし、無足場工法ならそもそも足場代がかからないため、予算や工事ができる期間に合わせて「外壁塗装だけ」という選択も可能になります。

無足場工法のデメリットとは

ここまで無足場工法のメリットについて説明させていただきました。
ここからは、反対にデメリットの説明になります。

施工管理が困難

足場が設置されていると、誰でも足場をわたり作業箇所を確認することができます。

しかし、無足場工法だと作業箇所を目視で確認することができないため、塗り残しの有無などを現場でしっかりと管理できる人が必要になります。

シートで覆われていないため、水や塗料が飛散する可能性も高くなります。

信頼できる業者でないと手抜き工事をされる可能性もでてきます。

仕上がりは職人さんの腕に左右される

無足場での作業はロープにぶら下がった状態でおこなうので、不安定な状態での施工になります。

そのため、経験と技術のある熟練の職人さんに依頼しないと、ムラや塗り残しが発生してしまうおそれがあります。

しっかりと塗り替えをしてくれる信頼できて腕のある業者に依頼するようにしましょう。
業者によっては、足場代はかかりませんが技術料の対価が塗装作業費に加えられるかもしれません。

保証期間が短い

無足場工法は、足場ありでの塗装に比べると仕上がりが職人さんの腕によって左右されるため、保証期間も短くなることが多いです。

建物によって施工ができないことがある

無足場工法は、屋上で固定したロープにぶら下がり作業をするため、屋上に上がれない建物は無足場工法での施工ができない可能性が高いです。

また屋上から職人さんがぶら下がった状態で作業をするので、特殊な形の建物、たとえば庇が突き出している建物や、円柱型の建物、三角形の瓦屋根の建物などは施工をすることが困難です。

まとめ

今回は、無足場工法について紹介してきました。
無足場工法には、費用の大幅な削減という最大のメリットがあるのですが、施工管理が難しく、職人さんの腕によって仕上がりが大きく左右されるため、保証期間も短くなるというデメリットもあります。

建物の形状によっては施工できない場合もあるため、無足場工法に興味がある人は、経験と技術があり信頼できる業者を探して、まずは相談をしてみることをおすすめします。

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