住まいの美しさを損なわずに外壁本来の機能を保つにはどうすればいいと思いますか?
一番簡単な秘訣をこの記事では、紹介していきたいと思います。
結論から申し上げますとそれは、「定期点検」です。
外壁の劣化が促進しないように定期点検でメンテナンスをすることで、建物を長持ちさせることができます。
ビルやマンションの外壁打診調査というものについても触れていきたいと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
それでは、いっしょに見ていきましょう。
目次
外壁の定期点検とは
一般的に外壁塗装で使用される塗料の耐用年数は、約8~10年といわれています。
この耐用年数ですが、約10年もあるのならその間は何もしなくてもいいと思ってしまう人も多いのですが、そうではありません。
住宅は、建てられている土地の環境や塗装状況によって、塗料の耐用年数よりも早くひび割れや剥がれなどの劣化症状が発生してしまう場合があります。
これら劣化の確認や家屋をいい状態で維持するために、外壁の定期点検が大切になってくるのです。
外壁にひび割れや剥がれなどの劣化症状が発生していたとしても、定期点検によって早期発見することで補修工事も最低限の小規模なもので済む可能性がでてきます。
定期点検の目的とは
外壁の保護機能を維持する
まずは、外壁の保護機能を常にいい状態に保つ目的があります。
外壁にひび割れなどの劣化症状があると、雨水などがそこから外壁内部に侵入してしまい構造部まで傷めてしまうおそれがあります。
外壁は雨や風などの外的要因から家を守るという重要な役割を担っているため、その外壁の機能を正常に保つことが建物全体の保護につながります。
美観を維持する
次に美観を維持する目的です。
外壁の傷や汚れは、家の印象に悪影響を与えてしまいます。
ビルやマンション、アパートの場合、入居率にも影響する可能性があるため美観を保つことは非常に大切です。
ビル・マンションのオーナーには定期報告義務がある
ビル・マンションのオーナーには、定期報告制度というものがあります。
定期報告制度とは、国土交通省が定めた建築基準法によって義務付けされた制度のことをいいます。
ビルやマンションは、管理者によって敷地や構造、建築設備などを安全な状態に保たなければならず、建築物の検査結果の報告書を特定行政庁に提出・報告しなければなりません。
点検方法➀「外壁の全面打診調査」
平成20年に建築基準法が改正されて、ビルやマンションの管理者に建物の外壁全面打診調査が義務付けられました。
この外壁全面打診調査について詳しく説明していきますので、チェックしてください。
外壁全面打診調査のチェックポイントを知ろう
外壁全面打診調査のチェックポイントを紹介していきます。
●外壁タイルや石貼り、モルタルなどの劣化や損傷
●乾式工法による外壁タイルや石貼りなどの劣化や損傷
●金属系パネルの劣化や損傷
●コンクリート系パネルの劣化や損傷
これらを調査した上で手の届く範囲の打診などで異常があった場合、及び竣工や外壁改修から10年が経過して、はじめての調査の場合「落下によって危険がある部分」を全面的に打診調査しなければなりません。
しかし、これら4つの調査がおこなわれた3年以内に改修工事や全面打診調査などがおこなわれる場合と、歩行者の安全を確保するために必要な対策をしている場合は、全面打診調査をしなくても大丈夫です。
外壁打診調査の調査方法とは
調査方法は、基本的に目視でおこなわれます。
そのあと、手の届く範囲で打診調査をして、外壁タイルの浮きや剥がれがないかを確認していきます。
外壁打診調査の費用相場
外壁打診調査の費用相場は、足場などを設置せずロープを使用しておこなう場合で約280円~約700円/㎡(現地調査、報告書作成含む)といわれています。
外壁ロープ打診調査は、足場を設置しないので費用を抑えることができます。
点検方法②その他
外壁打診調査以外にも外壁調査方法が存在します。
どのような方法があるのか見ていきましょう。
赤外線調査
赤外線調査とは赤外線サーモグラフィ法といわれており、建物の外壁タイルなどの浮きを赤外線カメラで撮影し解析する外壁調査方法のことをいいます。
通常、外壁打診調査はゴンドラや足場を設置して調査をおこなうため費用がかかるのですが、赤外線調査の場合はそれらのコストの削減が可能です。
赤外線調査の費用相場は、約150円~約480円/㎡(赤外線撮影と報告書作成を含む)といわれています。
個人でできる定期点検とは
一般住宅の場合、外壁の点検をセルフチェックすることができます。
簡単なチェックポイントを紹介していきますので、確認してみてください。
チョーキング
チョーキングとは、経年劣化などによって古くなった塗膜が変質することで発生する現象です。
外壁を手で触るとチョークの粉のような白い粉が手に付着します。
チョーキングが表れている場合、塗膜の防水機能が低下しているため外壁としての保護機能も下がっていることになります。
チョーキングは塗料の寿命の目安のサインなので、この現象が発生したら塗り替えを検討するようにしてください。
クラック
素人でも外壁を見たときに発見しやすい劣化症状がクラック(ひび割れ)です。
初期段階の小さなクラックは地震や台風などで発生することがあるため、多くの住宅でみることができます。
しかし、小さなクラックだからといって長い間放置をしてしまうと、深刻なケースになる可能性もあるため注意してください。
クラックが大きくなったり増えてきた場合は、信頼できる業者に調査の依頼をしましょう。
コーキングの点検
コーキングとは、サイディングの継ぎ目や窓枠の周りに施工してあるゴム性の素材です。
一般的には塗料よりもコーキングの方が早く劣化するといわれており、まずは目視でチェックすることをおすすめします。
コーキングは劣化が進むと、ひび割れが発生したり剥がれたりといった症状が発生します。
このような状態になると、劣化箇所から外壁内部に雨水などが浸入するおそれがあります。
コーキングに劣化が生じている場合は、業者に依頼して補修をしてもらうことをおすすめします。
外壁塗装業者がおこなう点検とは
アフターサービスとしての調査
外壁塗装をおこなった場合、塗装業者によるアフターサービスがある場合があります。
アフターサービスが保証されている場合、もしも塗料が耐用年数よりも早く劣化が発生して施工や塗料に問題がある劣化については、無償で塗り直しをしてくれます。
外壁塗装を依頼する際は、アフターサービスが充実している業者を選ぶことをおすすめします。
一般的に年2回ほどの点検が推奨されています。
まとめ:アフターサービスが充実した業者を選ぼう
最後にアフターサービスが充実した業者を選ぶポイントを紹介して終わりたいと思います。
許可や資格を持っているか
優良な外壁塗装業者を選ぶ際に「建設業許可票」の許可書の有無、「塗装技能士」の資格取得者が在籍しているかなどを確認するようにしてください。
資格や許可の有無を基準として業者を選ぶことで、優良業者を選ぶ可能性が高くなります。
工事保証サービスの有無と内容
塗装工事後に何らかの瑕疵があった場合に、約10年以内ならばアフターサービスとして対応してくれる業者を選ぶようにしましょう。
この際、追加料金がかからない、補償対象の箇所など内容をしっかりと確認するようにしてください。
見積もり内容の確認
見積もり内容は、優良な業者かどうかを判断する重要な基準になります。
工事内容や使用する塗料名など詳しく記載されているかどうかを確認してください。
少しでも疑問がある箇所は、業者に質問してみましょう。
明確な答えが返ってこない、はぐらかされたなどといった場合は、候補から外すことをおすすめします。
見積もりをとる際は、1社だけではなく多くても3社くらいに候補を絞り相見積もりをとるようにしてください。
比較対象があると、判断しやすくなるのでおすすめです。
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