899人。
この人数がなんの人数かわかる方はいますでしょうか?
あまりピンとこない方が多いと思います。
あまり記事の冒頭から暗い話をするのは気が進まないのですが、この899人という人数は、2019年の放火自殺者を除いた住宅火災での総死者数です。
とんでもない人数だと思いませんか?
毎日2人以上の方が、住宅火災で亡くなっているなんて、ものすごい恐怖です。
出火原因としては、上から[たばこ][たき火][こんろ][放火]の順になっています。
特に乾燥がすごい秋から冬にかけては細心の注意を払って火を扱うようにしましょう。
上記にあるようにたくさんの方が命を落としている火災。
このような最悪の被害を少しでも減らすように、今回は防火塗料について詳しく説明していきたいと思います。
建物は、構成されている建築資材のほとんどが可燃物ですので、もしも火災が起こると、とんでもない被害が発生するおそれが十分あります。
そうならないために防火塗料についてのメリットやデメリットを隈なく紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
それではいっしょに見ていきましょう。
目次
防火塗料とは?どうして火に強い?
建物のほとんどは、可燃物です。
そのため、万が一火災が発生してしまうと、とてつもなく大きな被害が発生してしまうおそれがあります。
そんな火災発生時に少しでも延焼などを最小限に抑えるために、建物の表面に塗り、可燃物から不燃材料、準不燃材料から難燃材料にする塗料として防火塗料が存在しています。
防火塗料とは、火災が発生したとき火災から可燃性の建物を守り、火災の成長、延焼などを防ぐために建物に塗布する塗料のことです。
可燃物に塗布することで、準不燃材料または難燃材料にする優れた塗料です。
一般的には、塗装する機材の種類によって使用する防火塗料は選ばれ、防火性能が発揮される方法も変わってきます。
例えば、後述しますが木部や金属に塗装をする発泡形防火塗料の場合は、塗装した面に炎や高温が接触すると塗膜が膨らんで、スポンジ状の耐熱断熱層を作ります。
それにより、熱と炎が基材へ広がることを遅らせます。
防火塗料のメリット・デメリット
防火塗料を使用するメリットは、2つあります。
1つは、火災が発生したときに炎から可燃性の建材を守り、延焼や火災が大きくなることを防ぐこと。
もう1つは、可燃物に塗ることで不燃材料、準不燃材料または難燃材料とすることができることです。
デメリットは、火災が発生しない限り効果を発揮する場面がないため、とても保険的な出費になってしまうことです。
防火塗料3種類
防火塗料は、発泡形防火塗料と非発泡形防火塗料との2種類があり、非発泡形防火塗料は、難燃性塗料と不燃性塗料の2種類に分けられ、計3種類です。
似たような塗料で耐火塗料というものがあるのですが、これは火災のときに建材を炎から守ることを目的に作られたものです。
基本的に鉄骨に塗布することによって耐火構造とする塗料のことで、一般住宅ではあまり使用されません。
主に、大空間建築物、アトリウム、ショールーム、展示場、倉庫、工場に使われます。
ここからは各種の特徴について紹介していきます。
発泡形防火塗料
発泡形防火塗料は、通常は一般の塗膜の性状(?)をしているのですが、火炎や高温に塗膜が降れる触れると少しずつ発泡と炭化が始まります。
そして数十倍から数百倍までに膨らんで緻密なスポンジ状の炭素膜を作り、不燃性のガスを発生させて基材が着火する温度まで上昇するのを抑え遅らせます。
非発泡形防火塗料(難燃性塗料)
非発泡形防火塗料(難燃性塗料)は、有機系の塗料に難燃剤を加えることで燃えにくくした塗料のことで、自己消化火機能も持ち合わせています。
厚膜に塗装した塗膜が、熱と接触することで消化性(消火性?)のガスを出します。
そして、加熱性ガスの濃度を薄めたり、また結晶水を出すことで表面温度を下げさせるなどで熱と炎が伝わっていくのを抑えて防ぎます。
非発泡形防火塗料(不燃性塗料)
無機バインダーに無機顔料を多量に配合した完全不燃性塗料が、非発泡形防火塗料(不燃性塗料)です。
具体的に説明しますと、水ガラスや金属リン酸塩をそれぞれ主体として硬化剤を加えることで完全硬化させた無機系塗料です。
基材に塗れば、全体的に不燃性になるのですが、塗料自体に断熱性がないので、可燃物全体を不燃化することは不可能です。
分解ガスの発生が少なく完全不燃性で、耐熱性が優れている、表面硬度が高い、耐候性に優れている、意匠性が高く仕上げに使用することができる、という長所があります。
短所は、取扱いがとても複雑で難しいため作業性が下がってしまうことです。
あと下地との密着性や塗膜の柔軟性・耐水性が劣ることも短所です。
防火塗料は、あくまで保険
ここまで防火塗料について、いろいろと紹介させていただきました。
いかがでしたでしょうか?
非常に優れた性能をそれぞれに持っている防火塗料なのですが、本領発揮する場面は火災が起きているときです。
火災発生の被害を最小限に食い止める役割があるのですが、火災が発生しないことがベストです。
防火塗料は、あくまでも万が一に火災が発生したときの保険と認識しておきましょう。
それでは、火の元に気をつけて快適なくらしをお過ごしください。
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