珪藻土(けいそうど)を知っていますでしょうか?
珪藻土とは、植物プランクトンの死骸「珪藻」が化石となり、水中で堆積して泥土になったものを言います。
その珪藻土が天然素材を使った家づくりが見直されている昨今、注目が集めています。
珪藻土は、素材の特徴が快適な空間を作るのにそのまま繋がる素晴らしい素材なのですが、さまざまなメリットがあると同じようにデメリットも存在するものです。
天然素材の珪藻土を使用したのに、思ったようなリフォームにならなかった。というようなことにならないように珪藻土のメリットとデメリットをこの記事から学んで使用する際に注意できるようにしましょう。
目次
珪藻土とは?
珪藻からなる天然素材
珪藻土とは、冒頭で説明したように植物プランクトンの死骸である「珪藻」が化石となり、水中で堆積して泥土になったものです。
死骸と聞くと漠然と抵抗を感じてしまう方もいるかもしれませんが、まったく見た目や人体へ影響もなく問題ありません。
人に馴染み深い内外装材
珪藻土は、じつは大昔から建築物や生活用品に使われてきた素材で、現在でも建物を仕上げる素材として使われ続けています。
現在、さまざまな内外装仕上げ材の種類が登場してもなお、珪藻土が人気を集める理由は、やはり天然素材であるという部分が大きいです。
珪藻土のメリットとデメリット
珪藻土のメリットとデメリットの両方を把握することがで、リフォーム工事に使用する際に、より適した使い方ができる可能性が高まるので、見ていきましょう。
メリット
【調湿作用を持つ】
珪藻土は、小さな穴が無数にあいている多孔質素材です。
珪藻土は、周囲で湿気が多く発生しているときは、穴へ水分を取り込み、逆に空気が少ないときは、内部の水分を吐き出して湿度を調整します。
このはたらきを調湿作用と呼び、木材も同様の特徴が見られます。
【脱臭作用がある】
珪藻土の穴は、空気中のニオイや二酸化炭素、有害成分なども吸収してくれるので、カビの発生も抑えることができます。
そのため、室内でペットを飼っている方は、内装で珪藻土を使用するとニオイを抑えることができ、小さいお子様がいらっしゃる方は、アレルギーのリスクを減らすことにも繋がります。
【吸音効果を持つ】
音は、物質に吸収されて威力が弱まり、反響しにくくなります。
そのような効果を吸音というのですが、吸音効果を持つ素材は多孔質であるからです。
つまり多孔質な珪藻土も、吸音材としての特徴を持っており、内外装の仕上げ材に用いることで防音効果をもたらすことができます。
【耐火性が高い】
珪藻土が親しまれてきた理由として燃えにくいという特徴があります。
1,250℃までならば、高温に晒されても溶けずに残り続けます。
そして、天然素材であるためプラスチック系素材のように、燃えたとしてもダイオキシンなどの有害物質を出しません。
珪藻土のデメリット
【化学成分を含むものもある】
採取されたばかりの珪藻土は、結合力がなくボロボロの土のような状態です。
そのため、壁に接着させることができないため、接着剤となる物質で固めてノリのようにすることで塗料として使えるようになります。
しかし、この接着剤に化学成分が含まれていると、天然素材の珪藻土を採用する意味がなくなってしまいます。
つまり、珪藻土だからといって必ずしも化学成分が含まれていないとは限らないので、注意しましょう。
業者からの見積もりをもらった時点で、使用する珪藻土について教えてもらいチェックするようにしてくださいね。
【衝撃に弱い】
珪藻土は、施工に問題がなくても、強い力を加えるとすぐに傷や凹みができる衝撃に弱い素材なのです。
また、強い力で表面をこするとボロボロと剥がれてしますため、室内で猫などのペットを飼っている方や小さなお子様がいらっしゃる方は、内装に珪藻土を使用する場合は注意が必要です。
あと、接着剤の効果が弱くなるにつれて、剥がれた珪藻土が粉となり周囲に落ちて、衣服や手に付着してしまうことがあります。
これらのデメリットは珪藻土を使用する場合、裂けられないデメリットなので、事前に把握しておくとよいでしょう。
外壁を珪藻土で仕上げるのなら知っておくべきこと
珪藻土は、素晴らしい外壁仕上げ材ではあるのですが、デメリットもあるので、それをしっかりと把握していないと珪藻土を用いて外壁塗装をしたのに思っていた感じと違うなんてことになりかねません。
デメリットを把握して依頼する業者にしっかりとアドバイスをもらったうえで、珪藻土が適しているから判断できてから使用することをおすすめします。
塗料が剥がれ落ちる
上記でも少し説明させていただいたのですが、珪藻土は衝撃に弱い素材です。
そして、外壁は家の中でも傷つきやすい部分です。
だからといって、珪藻土の外壁の上から保護用に有機系塗料を塗ってしまうと、珪藻土の特徴である趣のある質感が失われてしまうだけでなく、さまざまなメリットをもたらす多孔質な穴も埋まってしまい、調湿作用や消臭作用も失われてしまいます。
外壁を珪藻土で仕上げたのならば、植木や物干し竿、門扉やフェンスなどのエクステリアアイテムができるだけ外壁に当たらないように周囲に置かないようにしましょう。
台風など強い雨風が近づいているときは、周囲に置いているものがあるのなら、すぐに片づけるようにしてください。
あと、珪藻土は調湿作用のある素材ですが、それにも限界があり湿度が高すぎる場合、内部に水分を溜め込みきれなくなり、結露が生じたり、珪藻土の成分である接着剤が劣化してしまうおそれがあります。
これに伴い、カビが発生する可能性も高くなるため注意しましょう。
腕と実績のある業者に依頼しよう
珪藻土の外壁は、自由度が高く表面の模様を自由にアレンジできます。
コテや刷毛などを使用して、曲線や伝統模様を加えると、唯一無二の外観デザインを手に入れることも可能です。
しかし、納得のいくデザインに仕上がるかどうかは、職人の腕にかかっているため、思い描いている模様そのままにならない可能性も十分にあると理解しておきましょう。
まとめ:特徴を捉えてから有効活用しよう
天然素材として注目されている珪藻土。
模様の自由度の高さにより、既製品では味わえない趣のある外壁を作れる、調湿作用や消臭作用など人体にとって良いさまざまな効果がある優れた建材です。
しかし、天然素材ということやメリットばかりに目を奪われていてはいけません。
これまで説明させていただいたデメリットにも注意をしながら、優れた業者に相談しながら検討してみてはいかがでしょうか?
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