住まいがシロアリ被害に遭ってしまったときの対策方法

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


シロアリらしき生物をご自宅で見たことがありますか?
「ある」という方は、この記事を読んでからすぐに対策をするようにしてください。

シロアリ被害は、放置しておくと住宅に甚大な被害をもたらす可能性が非常に高いです。

ということで今回は、シロアリ被害の初期症状や、自らできるシロアリ被害の予防対策、シロアリが発生した場合の駆除方法について詳細に説明していきます。

それでは、いきましょう。

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シロアリ被害の初期症状

シロアリは木材が大好物です。
そのため、木造家屋に住みついて大きな被害をもたらします。

そんなシロアリ被害には、初期症状がありますので把握して、早期発見、早期対応をすることが大切です。

家の周りに蟻道を発見できた

家の土台・基礎部分や床下に茶色い土のトンネルを発見したのなら、シロアリがつくった蟻道である可能性が高いです。

蟻道とは、漢字のとおりそのままアリが通る道のことです。

シロアリは光を嫌う特徴があるので、土や排泄物でトンネルをつくり、そこから家の中に侵入してきます。

蟻道の発見からシロアリ被害がわかるケースも多くあり、蟻道をたどってシロアリの巣の発見につながることもあるので、家の周りを注意深く観察してみてください。

屋根裏周りの壁や柱を叩くと感触がおかしい

シロアリは屋根裏に住みつく場合があります。
その屋根裏のシロアリ被害を発見するためには、屋根裏周りの壁や柱を叩いてみることです。

叩いてみて他の箇所と感触が違うと思ったのなら、シロアリに食べられて空洞になっている可能性があります。

シロアリは床下で活動することが多いのですが、雨漏りや水漏れがあればそこから屋根裏まで被害が広がることがあります。

柱や壁から家全体に被害が拡大する可能性があるので、注意しましょう。

シロアリの種類:ヤマトシロアリ

ヤマトシロアリは、日本全国で発生するどこにでもいるシロアリです。

地下に生息しているので、床下から被害が始まることがほとんどです。
被害が出る箇所は主に床下なのですが、湿気が多い場所が好きなので、雨漏りや水漏れがしている箇所があると、そこから屋根裏まで上がります。

暑さに弱い特徴があるため、高温の時期には、地中などの涼しい場所に巣ごと移動して身を隠します。

シロアリの種類:イエシロアリ

イエシロアリは寒さに弱い特徴があり、四国、九州など温暖な地域に多く生息しています。

生息箇所が地下なので、床下からの被害が多いのですが、柱や壁から屋根裏まで上がり、中でも梁や桁などの太い木を好んで食べます。

1つの巣に100万匹が生息する場合もあり、そのため被害の具合が激しく、梁や桁にも数か所の空洞を作ってしまいます。

放置して被害が進むと最悪の場合、家屋の倒壊に繋がるケースもあるので、非常に危険です。

早急な対処が必要になります。

シロアリの種類:アメリカカンザイシロアリ

湿った気が大好物なヤマトシロアリやイエシロアリと違い、乾いた木に生息する特徴があるアメリカカンザイシロアリ。

木の外には出ないで、木伝いに移動します。

巣の中の個体数はそこまで多くはないのですが、1匹のサイズが大きいため被害が激しくなることがあります。

多くの砂粒状のフンをする特徴があり、フンによって被害発見するケースも少なくありません。

屋根裏に発生したシロアリを自ら駆除する場合

シロアリ駆除剤は、ホームセンターに行けば誰でも手に入れることができるので、自分で駆除をすることを考える方もいると思います。

そこでここからは、自分の手でシロアリを駆除する方法をいくつか紹介します。

シロアリ専用の駆除剤を使用する

屋根裏にシロアリが発生した際に、自分の手で駆除すると考えたのならシロアリ専用の駆除剤を使用することをおすすめします。

そのとき、間違った薬剤を使用すると状態をさらに悪くしかねないので、注意して選ぶようにしてください。

忌避作用というシロアリを近づけない効果がある駆除剤も売っているのですが、忌避作用によって集団で活動していたシロアリをバラバラにしてしまい、完全に駆除することを難しくしてしまう可能性がありますので、注意が必要です。

掃除機で吸い込む

羽アリが発生したのなら、掃除機で吸って処理をしましょう。
吸い取った羽アリは、1日も経過すれば死んでしまうので、ゴミ袋に入れて捨ててしまいましょう。

この方法は、あくまで応急処置なので目に見える範囲しか駆除することができないため、巣や壁の内部まで完全駆除するには至りません。

ベイト工法

自らシロアリ駆除をしたいときに、おすすめなのがベイト工法です。
ベイト工法とは、簡単に言うとエサに毒を混ぜて設置し、それを巣まで持って帰ってもらい、それを巣で食べることで殲滅させる方法です。

ベイト工法に使用される薬剤は「脱皮阻害剤」と言われるもので犬や猫、人間には無害なので安心してください。

ベイト工法の目的は、薬剤を巣に持ち帰らせることなので、薬が効くのに時間がかかります。
そのため、絶滅までには時間がかかり即効性はありません。

定期的にチェックして絶滅させているかどうか確認するようにしてください。

自ら駆除することには限界がある

自らの手でシロアリ駆除を行うことには、業者に依頼するより費用が抑えられるというメリットがありますが、やはり業者に依頼することと比べると完全に駆除することが難しいです。

シロアリは種類があり種類ごとに効果のある薬剤が違うことや、生物なので移動を繰り返し生息場所を特定しにくいことから、シロアリのことを熟知していない素人には厳しい作業です。

作業ももちろん難しいのですが、シロアリが完全に駆除できたかどうかを判断することも大変難しいため、業者に依頼する方がいいかもしれません。

自らでできるシロアリの予防対策

シロアリは、普段は土の中に生息しています。

住まいの庭の土の中に住んでいるなんてことも珍しいことではありません。
そのため、シロアリ被害を予防するには家に近づけないことが大切になります。

シロアリのことを理解して、日常から自分でシロアリ予防対策をするようにしましょう。

シロアリ予防のベストシーズン

シロアリは基本的に冬眠をせず年中活動しているのですが、活動が活発になる時期とそうでない時期があります。

シロアリの活動量を考えた上で対策をすると、より効果的にシロアリを予防することができるので、おすすめです。

シロアリは、4月ごろに巣の中の個体数が増えるため、新しい巣を求めて移動します。
あと、梅雨時期にはシロアリが好きな湿度になり動きが活発になることを考えると、シロアリは暖かくなる春から夏ごろに活動的になります。

ということはシロアリが活動的になる前の1月~3月ごろに、シロアリの予防を行うようにしてください。

シロアリは段ボールも好き

シロアリは木材が大好物ですが、段ボールも好きなのです。

シロアリはセルロースという成分を食べて栄養補給をしているため、セルロールが含まれる段ボールはエサになります。

ヤマトシロアリとイエシロアリは、湿気が多い場所が好きなので、庭などに放置されている湿った段ボールは最高のエサです。

このように段ボールがあるとシロアリが寄ってくる可能性があるため、家にある段ボールは放置しないですぐに処分するようにしてください。

定期的に業者にチェックをしてもらう

シロアリ被害を抑えるために一番効果的なのは、早期発見です。
そのためには、定期的に業者に依頼してシロアリ被害に遭っていないかチェックしてもらうようにしましょう。

被害が広がってからでは、お金も時間もかかってしまいます。
その前に、業者に依頼してチェックをしてもらう方が賢明です。

定期的にシロアリが発生しそうな家のポイントを自主的にチェックすると同時に、5年に1度くらいの頻度で業者にチェックしてもらいましょう。

シロアリ駆除を業者に依頼する場合

シロアリ駆除の費用の相場は、一般的にあまり知られていないので、高額請求をしてくる悪徳業者も少なからず存在します。

そういった業者を引き当てないために、優良業者の選び方のポイントを紹介します。

第一に、現場をしっかりと調査してくれる業者かどうかです。

シロアリがどこから来て、どこに巣を作っているのかきちんと調査してから、駆除のプランと見積もりを提示してくれる業者にしましょう。

シロアリ駆除には、豊富な経験が必要になるので、駆除実績があり経験値が高いことも重要です。

現場での経験年数が決められている「しろあり防除施工士」という資格を保有しているかどうかも大きな判断基準になるので覚えておいてください。

あとは、業者の口コミや実際に施工してもらったことのある方から話を聞くなど、いろいろと情報を集めてから依頼するようにしてください。

アフターサービスや定期的なチェックがあるかどうかも知っておきましょう。

シロアリの被害に遭った箇所はリフォームすべき

シロアリは、木造住宅のありとあらゆる箇所を食べて、家屋の強度を下げていきます。

徐々に強度が下がっていくと大地震が発生したときに倒壊してしまうリスクが高くなります。
そのため、シロアリ被害にあった箇所はすぐにでもリフォームすることをおすすめします。

初期の段階では、駆除をしっかりとするだけで済む場合もありますので、とにかく早期の発見と早めの対応が大事になります。
早期の発見、早めの対応が何より甚大な被害を防ぐことになります。

シロアリが好むようなものを放置しておかず、定期的にチェックを行いシロアリから住まい遠ざけるようにしてくださいね。

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